擬アノソフ周期軌道の複雑度に基づく組みひも群と写像類群の研究
Project/Area Number |
21K03247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金 英子 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (80378554)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 組ひも群 / 擬アノソフ / 3次元多様体 / 写像トーラス / エントロピー / へガード分解 / ファイバー / 双曲体積 / 平面N体問題 / 周期解 / 金属比 / 拡大率 / 組みひも群 / 写像類群 / 周期軌道 / 位相的エントロピー |
Outline of Research at the Start |
曲面の上の同相写像の反復合成による離散力学系を理解するために擬アノソフ型の周期軌道に着目する. 本研究は平面N体問題の周期軌道を研究対象として含む. 擬アノソフ周期軌道が誘導する組みひもや3次元双曲ファイバー多様体を経由してこのような力学系を位相的に分類する. 本研究では周期軌道から定まる位相的エントロピーや体積といった擬アノソフ不変量について, 位相幾何学と力学系の双方向から調べる. そして組みひも群や写像類群における新しい構造を解明し, その知見をN体問題の解の位相的性質としてフィードバックする. N体問題の周期解の位相型を切り口とした, 組みひも群や写像類群の新しい問題を提供する.
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Outline of Annual Research Achievements |
任意の3次元双曲多様体は, 円周上の曲面束を有限次の被覆空間としてもつことが I. Agol によって示されている. このとき曲面束の貼り合わせ写像は擬アノソフ型である. 擬アノソフ写像(あるいはその写像類)は, 曲面の自己同相写像としての複雑さを反映する代表的な2つの不変量『(位相的)エントロピー』と『(写像トーラスとして得られる3次元双曲多様体の)双曲体積』を持つ. 一般に, 向き付け可能な3次元閉多様体はへガード分解を持つが, 作間 誠氏によると任意の向き付け可能3次元閉多様体Mのへガード分解に対して, そのへガード曲面をファイバーとする3次元ファイバー多様体 M' であって, M'はMを二重分岐被覆するものが存在する. このようなM'として双曲的なものが取れること, すなわちモノドロミーとして擬アノソフ元がとれることは BrooksやMontesinos らによって示されているが, 彼らの議論からM のへガード分解を固定するごとに3次元ファイバー多様体であって双曲的なM' が無限に取れることがわかる. 令和4年度の実績は以下の2つである. 実績 1. 任意の3次元閉多様体Mに対して, M の二重分岐被覆となる3次元ファイバー双曲多様体 M' としていくらでも大きな体積を持つものが存在すること. 廣瀬 進 氏(東京理科大学), Efstratia Kalfagianni 氏(ミシガン州立大学)との共同研究. 実績 2. 次を満たす3次元閉多様体Mが無限に存在する. M の二重分岐被覆となる3次元ファイバー双曲多様体 M'として, M'の貼り合わせ写像(= 擬アノソフモノドロミー)のエントロピーがいくらでも小さいものが存在する. 廣瀬 進 氏(東京理科大学)との共同研究.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べた実績 2 については任意の3次元閉多様体について成立するかは令和4年度はわかっていなかったが, 令和5年に入り M が 3次元球面の二重分岐被覆である場合に拡張できることを観察している.
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Strategy for Future Research Activity |
推進方策 1. Guowei Yu は, Chenciner-Montgomeryによる8の字形の解の発見後, 平面N体問題における鎖型の形状を持つ周期解を発見し, その存在性を数学的に証明している. Yu によって発見された鎖型の解の族の組ひも型は, 2008年に報告者が研究した擬アノソフ組紐の族と関係があることを現段階で観察している. 今後はまずその観察の正当性をチェックする. 「全ての組ひも型は平面多体問題の周期軌道で実現できるか?」という Montgomery が提起した問題を念頭におき, 「どのような擬アノソフ型のN次の組ひもが, 平面N体問題の周期解として実現できるのか?」という課題について引き続き取り組む. 推進方策 2. 研究実績の概要で述べた実績 2 については任意の3次元閉多様体について成立するかは令和4年度はわかっていなかったが, 令和5年に入り M が 3次元球面の二重分岐被覆である場合に拡張できることを観察した. まずはこの観察を検証する.
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)