バナッハ空間における単位球の幾何学的構造の研究とその応用
Project/Area Number |
21K03275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
三谷 健一 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (00468969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 直人 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30195862)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | バナッハ空間 / 幾何学的定数 / ノルム不等式 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、バナッハ空間における単位球の幾何学的構造を調べるため、幾何学的性質の成立度合いを表す幾何学的定数を考察する。特に、具体的な空間における幾何学的定数の計算及び一般のバナッハ空間における幾何学的定数の相互関係を与える。また、三角不等式を中心としたノルム不等式の一般化・精密化を行い、これによりバナッハ空間の幾何学的性質を調査する。さらにバナッハ空間の幾何学的構造の視点から不動点理論の諸性質を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度の実績は以下のとおりである。 1. バナッハ空間の幾何学的定数であるskewnessを考察し、この定数がnorming functional を用いて表すことができることを用いて、2次元ノルム空間であるDay-James空間においてskewnessを決定した。さらに、Baronti-Papini(1992)によるskewnessとmodulus of smoothnessとの関係を表す不等式について、Day-James空間上では多くの場合等号が成立しないことを示した。この結果はAnn. Funct. Anal. 13 (2002)に記載された。また、この結果に関して実解析学シンポジウム2022及びRIMS研究集会において講演を行った。 2. Day-James空間に幾何学的構造が類似するBanas-Fraczek空間の幾何学的定数について考察した。2016年に一部の場合においてvon Neumann-Jordan定数を計算した。本研究では残りの場合について計算し、さらにこの空間においてvon Neumann-Jordan定数とBanach-Mazur距離との関係やvon Neumann-Jordan定数とcharacteristic of convexityとの関係を導出した。この結果はLinear Nonlinear Anal. 8 (2022)に掲載された。 3. バナッハ空間のmodified von Neumann-Jordan定数を考察し、2次元空間の端点ノルムにおけるmodified von Neumann-Jordan定数を計算した。この結果から、2次元空間の端点ノルムにおいてvon Neumann-Jordan定数とmodified von Neumann-Jordan定数が一致しないための条件を与えた。また、この結果に関してRIMS研究集会において講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
具体的なバナッハ空間における幾何学的定数の計算はLp空間及びヒルベルト空間以外は値を決定することが一般的に難しいが、Day-James空間などの具体的な空間において、skewnessやvon Neumann-Jordan定数を求めることができた。この結果により、他の空間においても定数の計算ができることが予想され、さらに一般の空間における幾何学的定数間の関係の研究の進展およびこれらを用いたバナッハ空間の幾何学的構造の解明、不動点理論への応用が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究成果を踏まえ、今年度以降に取り組む主要な課題は以下のとおりである。 1. 前年度、Day-James空間のskewnessを計算したが、この計算手法をBanas-Fraczek空間を含むバナッハ空間についても適用し計算を行う。 2. Skewnessやvon Neumann-Jordan定数などの幾何学的定数を用いて幾何学的性質や不動点理論に関係する性質を特徴づける。また、幾何学的定数の相互関係を与える。 3. バナッハ空間における精密化した三角不等式を用いて他のノルム不等式の一般化や精密化を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)