Project/Area Number |
21K03278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
横田 智巳 東京理科大学, 理学部第一部数学科, 教授 (60349826)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 走化性方程式 / 解の漸近挙動 / 非線形拡散 / 作用素論 / 非線形発展方程式 |
Outline of Research at the Start |
本研究は, 走化性方程式という生物の集中現象を記述する数理モデルを研究対象とする. 特に方程式の解が時間大域的に存在するかどうかという問に対して, 方程式に現れる関数や定数に対してどのような条件を課せばよいかということを明らかにする. このような問題は, 様々な設定の下で様々な研究が分散して行われているのが現状であり, それ打破するような研究を実施する. その中には, まだ解明されていない問題の解決も含まれる. また, 関連する研究として, 反応の時差を考慮に入れた微分方程式に対する汎用性の高い適切性理論を構築し、先述の走化性方程式の研究との相乗効果を図る.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 生物の集中現象を記述する様々なタイプの走化性方程式を研究対象としている. 具体的な課題としては,解が時間大域的に存在して時間について一様に有界となるか,あるいは解が有限時刻で爆発するかという問題に対して, 方程式に現れる関数や定数に対してどのような条件を課せばよいかということを明らかにしていく. 2023年度は,次の2つの研究を中心に実施した.
研究1.ロジスティック項をもつ摩擦制限型走化性方程式系の解の爆発に関する研究 研究2.単純化した癌浸潤モデルの解の有限時刻爆発に関する研究
研究1については,2022年度に続いてイタリア・カリアリ大学のMonica Marras氏、Stella Vernier-Piro氏との共同研究を実施し,2023年度はロジスティック項をもつ場合に, 有限時刻で爆発する解の存在と爆発時刻の下からの評価を「簡潔な方法」で導くことができた. 研究2については,千葉大学の石田祥子氏との共同研究を実施し, 単純化した癌浸潤モデルに対して,Lyapunov関数の構成について吟味した。研究2については、論文の形にするには至らなかったが,新しい展開が見えてきた。研究1については,得られた成果を論文にまとめ,現在専門誌に投稿中である.また,日本数学会秋季総合分科会及び年会, 発展方程式研究会等の国内学会, 国際会議「The 13th AIMS Conference on Dynamical Systems, Differential Equations and Applications」(2023年5-6月,アメリカ),「Nonlinear Phenomena in Biology, Ecology, Phisics and Mechanics」(2023年10月, アゼルバイジャン)などで本研究課題に関わる研究成果を報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
摩擦制限型走化性方程式系の解の爆発に関する研究については, 2023年度までにロジスティック項をもつ場合まで解決することができ, 今後の研究指針を決めるための重要な研究成果が得られた. そのような意味では, 当初の計画以上に進展しているが, もう1つの研究課題である, 遅延を含む走化性方程式系に関する研究については, 研究課題の設定の見直ししており, 難航している. 代わりに, 退化型拡散を伴う癌浸潤モデルや他の関連する走化性方程式の解の漸近挙動に関する研究が進んだ. これらを総合して, おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の研究に向けて,退化型拡散を伴う癌浸潤モデルについては, まず解の有限時刻爆発が起こるかどうかを明確にすることが推進方策であると考えている. また, 遅延を含む走化性方程式については, 非局所項をもつモデルの研究を参考にして時間大域解の存在から示すことを考えている.摩擦制限型の走化性方程式の研究については,イタリア・カリアリ大学のMonica Marras氏らと共同で研究の完成を図る.研究代表者の大学院生の小波津晶平氏や水上雅昭氏,千代祐太朗氏,田中悠也氏に協力してもらうことで研究の推進が期待できる.
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