Project/Area Number |
21K03306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
甲斐 伊都子 (橋本伊都子) 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (70584639)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 圧縮性ナビエストークス方程式 / 球対称問題 / 漸近安定性 / 非粘性極限 / 外部問題の数学解析 |
Outline of Research at the Start |
圧縮性ナビエ・ストークス方程式は直接取り扱うのは難解であるため, 簡素化されたモデルからアプローチする必要がある. そのため私はこれまでに圧縮性ナビエ・ストークス方程式において圧力を一定と仮定した場合に得られる単純なモデルであるバーガーズ方程式の漸近解析に従事してきた. その結果, 空間1次元と高次元におけるバーガーズ方程式の解の挙動との差異を世界に先駆けて明らかにした. 今後はバーガーズ方程式における結果を基に圧縮性ナビエ・ストークス方程式の球対称問題における初期値・境界値問題において, 典型的な解である定常解の存在定理を得ること, またその性質を詳しく調べる研究を行っていく.
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Outline of Annual Research Achievements |
圧縮性ナビエ・ストークス方程式において, 空間1次元の場合には境界条件と無限遠方条件の組み合わせに応じて, 様々な解の漸近挙動が考察されてきた. 空間多次元の場合は境界上における流速が静止しているという条件の下で定数自明解の漸近安定性が示されている.また, ポテンシャル外力がある場合の定常解の漸近安定性の研究も既に知られているが, 境界からの流入や流出がある場合の圧縮性ナビエ・ストークス方程式の球対称問題においては, 定常解の存在さえ知られていない. そのため今回境界上での流速に制限はあるが, 定常解の存在について証明を行ったものが以下の研究成果である. (大阪大学の松村氏との共同研究) Itsuko Hashimoto, Akitaka Matsumura “Existence of Radially Symmetric Stationary Solutions for the Compressible Navier-Stokes Equation”,Methods Appl. Anal. (2021年号,掲載決定済) 本研究成果は応募者が実際に圧縮性ナビエ・ストークス方程式の球対称問題を取り扱った最初の論文であり, 現在漸近安定性についても研究を進めており論文は国際雑誌に受理された. また上記で得られた定常解について東京工業大学の西畑教授、杉崎聡平氏と共に漸近安定性の研究を行い所定の結果を得た. (国際雑誌へ登校中) さらに上記論文で得られた定常解について非粘性極限問題を考察し、流入問題及び流出問題において異なる非粘性極限の結果を得た。特に流入問題については密度及び速度共に境界層が非粘性極限において現れることが明らかとなり興味深い結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り順調に研究が進展している.具体的に、昨年度は国際研究集会ICIAMや, 東京工業大及び九州大学での国際研究集会でも講演の依頼を受け講演を行った。 また日本数学会年会において特別講演をする機会をいただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,圧縮性ナビエストークス方程式の球対称問題において「流入問題」及び「流出問題」の研究を行っている. 直近の結果として流入問題に関しては、境界での流体の流入速度に応じた境界層解が存在することを明らかにし、圧縮性ナビエストークス方程式の粘性ゼロ極限とオイラー方程式との関係について非粘性極限の構造についても明らかになってきた。 一方, 宇宙流体物理では, 超新星爆発などにより気体が飛散する場合, 衝撃波は自己相似解の如く振る舞うことが定説である. そこで, 流体方程式の球対称解に対して偏微分方程式論的な見地から,自己相似解の存在および非存在を検証していく. 目下のところ存在が期待できる自己相似解が,実際には同程式の衝撃波となっているかという問題は,数学,宇宙物理学双方の興味の対象である. 粘性衝撃波の存在が明らかになれば,更なる問題としてその漸近安定性を解析する.
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