Project/Area Number |
21K03323
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
谷内 靖 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (80332675)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 非線形偏微分方程式 / Navier‐Stokes方程式 / 流体方程式 / Navier-Stokes方程式 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、川の流れや台風といった流体の運動に関連した自然現象の解析に最も重用な役割を果たす流体力学の基礎方程式(例えば非圧縮性Navier-Stokes方程式や熱対流方程式)の解の性質についての数学的研究である。 特に、調和解析学的手法を用いることにより、様々な流体方程式に関する(ある意味で大きな)解の正則性(滑らかさ)と一意性を研究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度も水や油などの非圧縮性粘性流体の運動を記述する非圧縮性Navier‐Stokes方程式の解の一意性に関して、関数解析学的手法および調和解析的手法を用いて研究を行った。ここで、非圧縮性Navier‐Stokes方程式とは、流体の速度場u(x,t)と圧力場p(x,t)を未知関数とする連立の非線型偏微分方程式系である。具体的には、外部領域などの非有界領域における同方程式の定常解や時間周期解、時間概周期的な解のような時刻マイナス無限大から続く解の一意性に関して研究を行なった。以前、私は時間周期解のようprecompactな値域を持つ解に関して、外力が十分小さい場合は、解のクラスに小ささを仮定しなくても一意性が成り立つことを証明した(正確には同じデータに対し、precompactな値域を持つ2つの解が存在したと仮定し、一方にのみ小ささを仮定すれば、もう一方の解には小ささを仮定しなくても、両者は一致することを示した)。 令和3年度には値域のprecompact性を仮定しない場合の一意性を考察し、解が空間変数に関して3乗可積分な場合は、小ささを仮定しない方の解のr(r<3)乗可積分性)を仮定すれば、同様の一意性が成り立つことを証明した。 令和4年度は、3乗可積分な関数の空間であるL^3の代わりに、L^3よりも真に広い空間である弱L^3空間を用いて、解がこの弱L^3空間に属するという仮定のもとで、同様の一意性定理を証明した。令和5年度においてはこの結果を更に改良し、3次元半空間におけるNavier-Stokes方程式の後方自己相似解の非存在定理に応用できるような形に修正し、ある条件(付加条件)をみたす後方自己相似解が存在しないことを3次元半空間において証明した。ただし、この付加条件はかなり強い条件であるため、この付加条件を取り除くことが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、時間軸全体で定義されたNavier‐Stokes方程式の解の一意性に関して研究した結果、半空間での後方自己相似解の非存在に関連した部分的な結果を示すことができた。 ただし、この結果は、ある強い条件を満たす解の非存在を示したにすぎず、今後はこの強い付加条件を取り除くことを目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところおおむね順調に研究が進んでおり、今後も今までどおり研究を勧める。
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