Project/Area Number |
21K03381
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13010:Mathematical physics and fundamental theory of condensed matter physics-related
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
永尾 敬一 茨城大学, 教育学部, 准教授 (10391731)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 量子基礎論 / 素粒子論 / 宇宙論 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、素粒子論や宇宙論における自然性問題を解決し、また、量子論自体をより基礎レベルで定式化することを目的として、作用が基礎レベルでは複素数であるが有効的には実数として機能し、かつ、過去の始状態だけでなく未来の終状態も与えられているような「未来を含む複素作用理論」を探究する。作用が実数であるという暗黙の条件を取り除ければ、最初に理論に課される条件の数を一つ分減らせるだけでなく、作用の虚数成分が非局所的な隠れた変数として初期条件の役割を果たせる。このような未来を含む複素作用理論の性質を利用することにより、素粒子論や宇宙論における自然性問題の解決を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
私はHolger Bech Nielsen氏と周期的宇宙モデル[Reality from maximizing overlap in the periodic complex action theory, Keiichi Nagao, Holger Bech Nielsen, PTEP 091B01, pp.1-11(2022)]において、時計演算子を導入するために、以前に提唱した最大化原理を複数の演算子を含む形に拡張する研究を行った。また、未来を含む複素作用理論の枠組みで構成した調和振動子模型[Formalism of a harmonic oscillator in the future-included complex action theory, Keiichi Nagao, Holger Bech Nielsen, PTEP 073B01, pp.1-36(2019)]において、ポテンシャルが上に凸になっている相の解析を進めるとともに、修正された内積を定義するために導入される演算子Qの性質についても検討を行った。さらに、以前に行った過去と未来の混合状態を記述できるような歪んだ密度演算子の研究[Automatic hermiticity for mixed states, Keiichi Nagao, Holger Bech Nielsen, PTEP 031B01, pp.1-11(2023)]において、より一般的な密度演算子を導入する検討も行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ライフイベントの発生により特別休暇を取得したものの、研究に支障が出るような大きなトラブルが起きなかったため。複数の課題を同時並行で推進している。
|
Strategy for Future Research Activity |
ライフイベントの発生により特別休暇を取得したこと、また、共同研究者との都合が合わなかったことから、本年度は対面での顔を突き合わせた議論をすることができなかった。今後は対面での議論の機会を可能な限り増やすことにより、効果的に研究を推進していく。具体的には以下の研究課題に引き続き取り組んでいく。1.周期的宇宙モデルの研究をさらに推進するために、時計演算子を導入するとともに、以前に提唱した最大化原理を複数の演算子を含む形に拡張する。2.以前に未来を含む複素作用理論の枠組みで構成した調和振動子模型の解析をさらに進めて、複素作用理論の特徴的なダイナミクスを明らかにする。特に、ポテンシャルが上に凸になっている相を解析する。また、修正された内積を定義するために導入される演算子Qの性質も調べる。3.未来を含む複素作用理論において、以前に導入した過去と未来の混合状態を記述するための歪んだ密度演算子よりも一般化された演算子の導入を検討する。また、我々の理論を合成系のうちの部分系と考えた場合に、もう一方の環境系も含めた合成系全体のダイナミクスを調べる。4.以前に提唱した自動的にQ-エルミートなハミルトニアンが得られる機構を対角化不可能なハミルトニアンや多粒子系、場の量子論の場合に一般化する。
|