広帯域振動スペクトロスコピーによる強相関ボーズ流体研究
Project/Area Number |
21K03383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13010:Mathematical physics and fundamental theory of condensed matter physics-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
檜枝 光憲 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (30372527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 淳子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70377018)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | ボーズ流体 / 超流動 / ヘリウム4 / 量子相転移 |
Outline of Research at the Start |
ヘリウム4強相関ボーズ流体は、ナノ構造体により次元性、原子相関、乱れの制御が可能であり、多様な量子物性研究のモデル系に成り得る。ナノスケールにおいて次元性を制御したヘリウム4ボーズ流体に対して、その特異な強相関物性(超流動、量子臨界現象、量子絶縁体(ボーズグラス、モット絶縁体、局在BEC、量子スリップ)などを研究する。ヘリウム4強相関ボーズ流体に対して、広い測定周波数範囲における機械的応答測定や、熱力学測定などの温度依存、原子相関依存、周波数依存、を調べることで、多重環境下での量子臨界領域・相図を決定し、異なるエネルギースケールを持つ物理系との共通性・普遍性を議論する。
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Outline of Annual Research Achievements |
強相関ボーズ流体の超流動応答は、その次元に応じて測定周波数に強く依存する可能性が実験・理論両面から指摘されている。昨年に引き続き、測定周波数とアスペクト比(細孔長と細孔径の比)に強く依存する擬1次元系の新奇な超流動性の研究を実施した。 我々はこれまでポーラスアルミナ膜中に配向したナノ細孔束(孔径3.4 nm、細孔長約5 μm)に対して、2つの異なる共振周波数(32、100 kHz) の音叉型水晶振動子を使いナノ細孔中超流動の応答を調べてきたが、ナノ細孔中の超流動応答とアルミナ孔内の超流動応答の分離が困難であるという大きな問題に直面した。そこで、2023年度は、①ナノ細孔束を合成したポーラスアルミナ膜、②合成前のポーラスアルミナ膜、に対して、音叉型水晶振動子(32 kHz)に同時測定を実施し、さらに先行研究である2重連成振り子実験と比較することで、ナノ細孔内の超流動応答の抽出を試みた。 バルクヘリウム4の飽和蒸気圧から加圧下での温度スキャン測定では、バックグラウンドとしてバルクヘリウム4の超流動転移および第3音波の共鳴による周波数変化があるが、0.14 MPa、1.90 MPaの加圧下の測定において、ナノ細孔内の超流動転移に由来していると考えられる周波数変化を観測した。先行研究である2重連成振り子において、0.5 kHzに比べ2 kHz (4倍差)の方が約40 mK高温側に温度シフトすることが観測されている。今回の音叉型水晶振動子(32 kHz)とねじれ振り子実験(2 kHz)(16倍差)を比較すると、高温側へ約150 mKの温度シフトが観測されており、測定周波数差が大きいほど温度シフト量が大きいことがわかった。さらに、これらの実験からTL液体モデルで見積もったラッティンジャーパラメータは、測定周波数が4倍差でも16倍差でも同程度の値となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
我々はこれまでポーラスアルミナ膜中で配向したナノ細孔束に対して、2つの異なる共振周波数(32、100 kHz) の音叉型水晶振動子を使いナノ細孔中超流動の応答を調べてきたが、ナノ細孔中の超流動応答とアルミナ孔内の超流動応答の分離が困難であるという問題が生じた。そのため研究期間を1年間延長し、ナノ細孔内の超流動応答を抽出するために、計画当初には無かったナノ細孔束を合成したポーラスアルミナ膜と合成前のポーラスアルミナ膜に対する同時測定を実施することになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は本研究遂行の最終年度として、2023年度までに得られた成果を元に、1次元配向性多孔質膜を付着した音叉型水晶振動子の実験を継続する。測定はいろいろな吸着量や、バルク液体の飽和蒸気圧から加圧下までに対して系統的に実施し、様々な原子相関を持った1次元細孔中ヘリウム4量子流体に対して温度スイープ測定を実施する。原子相関制御は、ナノ構造上の粒子数を制御し密度(原子間距離)を変化することで行う。複数の測定周波数による振動子実験で得られた結果より、1次元細孔中ヘリウム4の超流動応答による共振周波数・エネルギー散逸の温度変化・周波数依存と、朝永-ラッティンジャーボーズ流体(TL)の理論を比較検討する。例えば、TL理論で重要なパラメータであるラティンジャーパラメータを算出する。さらに超流動オンセット、およびエネルギー散逸ピーク温度をプロットすることで、(A)量子臨界領域・相図の決定、(B)臨界指数の決定、(C)量子臨界領域における普遍性等を議論し、研究成果をまとめる。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)