Global structure search of two-dimensional materials based on evolutionary algorithms and gaussian process regression
Project/Area Number |
21K03419
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13020:Semiconductors, optical properties of condensed matter and atomic physics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱本 雄治 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (30584734)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 第一原理計算 / 機械学習 / 二次元物質 / シリセン / ボロファン / グラフェンナノリボン / 金属クラスター触媒 / 金属単原子触媒 / ガウス過程回帰 / 進化的アルゴリズム / ボロフェン |
Outline of Research at the Start |
炭素原子一層からなるグラフェンが単離されて以来、13~16族元素の二次元物質の発見が相次いでいる。グラフェンの炭素原子をシリコン原子で置き換えたシリセンはその代表例であり、銀基板上で多様な座屈構造が観測されている。またホウ素の二次元シートであるボロフェンは三角格子と蜂の巣格子で構成され、基板金属によって格子構造が大きく変化する。これらの構造的特性から豊富な物性の発現が期待されるが、構造の候補が多数存在するため安定構造の理論的予測は一般に困難である。本研究課題では、進化的アルゴリズムとガウス過程回帰に基づく大域的構造探索手法を用いて効率的に二次元物質の最安定構造を決定し、物性の理論的解析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
進化的アルゴリズムとガウス過程回帰に基づく大域的構造探索プログラムGOFEEを用いて得られた銀(111)表面上シリセンの多数の安定構造を、先行研究で提案された構造と比較して未知の構造を探索した。4×4超構造として得られた3種類の構造のうち2つはα、β相としてよく知られた構造であったが、残りの1つは単位胞当り1つのシリコン原子を除いて自立型シリセンのバックル構造に近く、ディラックコーンの有無が興味深い。2√3×2√3超構造として長周期のハニカム格子状の突起を持つよく知られた構造に加えて、対称性の低下した最安定構造が得られ、後者は過去の理論研究とよく一致する。√13×√13超構造は銀[110]方向とシリコン[110]方向のなす角に応じてtype I, type IIの2種類に分類される。type II相として最安定構造とテトラマーで特徴付けられる準安定構造に加え、未報告と思われる準安定構造も得られた。type I相として単位胞当り突起を1個、2個、3個含む構造がエネルギー的に近い範囲で得られ、この特徴は実験的に構造決定が困難であったT相の特徴とよく一致している。 またGOFEEを用いてボロフェンを水素化したボロファンの構造探索も行った。ボロファンは長周期秩序のないアモルファス構造を持つと考えられているため、電子状態計算を密度汎関数強束縛法で実行して安定構造の候補の生成を高速化した。パーシステントホモロジーに基づく構造解析プログラムHomCloudを用いて非自明なボロファンの構造的特徴を抽出した。 さらに当初の研究計画にはなかった酸化物表面上のパラジウムクラスターやグラフェンナノリボンに担持したPt単原子の構造探索も行い、構造的特徴と触媒活性の関係を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GOFEEで得られた銀(111)表面上シリセンの安定構造と先行研究で提案された構造との比較から、GOFEEによって様々な二次元結晶構造が再現できるだけでなく、未知の安定構造も予言可能であることを実証することができた。特に√13×√13 type-I超構造として得られた複数の構造がエネルギー的に接近していることは、これまで構造決定が困難であったT相の特徴とよく一致しており、シリセンの未解決問題の1つに一石を投じるものと考えられる。これらの結果は日本物理学会2023年春季大会で発表し、現在論文を執筆中である。酸化物表面上のパラジウムクラスターやグラフェンナノリボンに担持したPt単原子の触媒活性に関する研究に関しても解析の大部分を終え、現在論文を執筆中である。以上のGOFEEでの構造探索では電子状態計算に高コストの密度汎関数法を用いていたが、ボロファンのアモルファス構造を効率的に探索するにあたり、低コストな密度汎関数強束縛法でも十分な精度の構造探索が可能であることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
GOFEEを用いた銀(111)表面上シリセン、酸化物表面上のパラジウムクラスター、グラフェンナノリボンに担持したPt単原子の構造探索に関する論文を早急に完成させ、英文雑誌に投稿する。 最終年度の2023年度はGOFEEを用いたボロファンのアモルファス構造の探索と、HomCloudを用いたトポロジカル構造解析に専念する。密度汎関数強束縛法の採用で高速化したGOFEEの構造探索では、ホウ素と水素の原子数や組成比を変えながら数万個の安定構造の候補を生成する。HomCloudを用いてこれらの構造データを解析することにより、ボロファンに含まれるホウ素原子と水素原子の結合の特徴を抽出する。特にボロファンのホウ素は局所的にハニカム格子を組むと考えられ、またホウ素は水素と三中心二電子結合するため、ホウ素が作るリング構造とホウ素-水素-ホウ素のリング構造が重要と考えられる。これらのリング構造に関するパーシステント図を描き、特徴的なパターンに対応する構造を特定する。さらに得られた構造に対して対相関関数を計算し、実験結果と比較してボロファンの局所構造の理論的解明を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)