Magnetotransport properties of topological materials with nontrivial magnetic structure
Project/Area Number |
21K03454
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
鈴木 健士 東邦大学, 理学部, 講師 (80564947)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
|
Keywords | 磁性トポロジカル半金属 / 磁気輸送特性 / 磁化プラトー / 単結晶育成 / 磁性トポロジカル物質 / 非共線的磁気構造 / 輸送特性 / トポロジカル物質 / 磁性 |
Outline of Research at the Start |
物質中で実現する非自明なトポロジーを有する電子状態において、電子に内在する電荷・スピン・軌道の自由度間の結合がどの様に発現するかは未だ明らかになっていない。本研究では、特に、スピンの自由度が特徴的な役割を果たす非自明な磁気秩序が電子状態の持つトポロジーに対しどの様な影響を与えるかについて、純良物質の合成と磁気輸送特性の測定を一貫して行う実験的手法の研究を通じて明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
線形分散するバンドの交差点と磁性を併せ持つ磁性ワイル半金属RAgGe (R = 希土類)の単結晶試料を金属フラックス法により育成し、R=Dy及びHoについて、原料、温度及び仕込み組成比の育成条件の改善を通して磁化測定及び磁気輸送特性測定が可能な大型単結晶を得る事に成功した。 また、DyAgGe単結晶試料の低温領域での磁化及び磁場中電気輸送係数の測定を行い、(1)電磁抵抗率及びホール抵抗率が磁化プラトー状態に依存する値を示す事、及び(2)磁化プラトー間の遷移において電気抵抗率が増大を示す事が観測された。これらは、定性的には、伝導電子と希土類局在磁気モーメントとが強く結合している事に由来して、各磁化プラトー状態において許容される磁気的ドメインのdisorderや低エネルギーマグノン励起、磁化プラトー遷移近傍において発達する短距離の磁気的ゆらぎによって伝導電子が散乱される事で生じる現象と解釈できる結果である。現在、各磁化プラトー状態が示す磁気秩序と電子波動関数の有する非自明なトポロジーの結合の観点から、得られたデータの定量的な解析を進めている。更に、RAgGe系の磁性と非自明なトポロジーの結合を統一的に理解するためHoをはじめとする他の希土類元素を持つ物質の磁化及び磁気輸送特性の測定の準備を進めている。 加えて、DyAgGeで得られている非自明な磁気輸送特性に対する知見を発展的に拡張する事を念頭に、磁化プラトーと非自明なトポロジーを併せ持つ一般の金属間化合物へ研究対象の拡充を図っている。本年度は、三元系希土類ニクトゲン化合物の大型単結晶試料育成に成功しており、現在は磁化測定及び磁場中輸送係数の測定に向けた準備を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DyAgGe単結晶試料の育成に成功し、磁化及び磁場中輸送係数の測定から定量的な解析が可能なデータを得られた。本物質では、過去の報告から予想されるよりも複雑な磁気ドメイン状態を有する事が本研究の磁化・磁気輸送特性で明らかとなり、追加的な実験や解析手法に対する試行錯誤が必要となっている為、本年度中に定量的な解析を完遂するには至らなかったが、関連する他の希土類を有するRAgGeの単結晶試料育成に成功するとともに育成した試料の各種物性測定の準備も進んでいる事から、概ね順調に研究が進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度得られたDyAgGe単結晶試料の磁化及び磁場中輸送係数の測定結果の定量的な解析を進めると共に、異なる希土類を有するRAgGeについても単結晶試料育成及び物性測定を行い、各希土類物質が共通して示す物性と磁性の違いにより生じる輸送特性の差異を統一的に議論する事で、磁化プラトー系で実現する非自明な磁気構造とトポロジカルな電子状態の相関により生じる物性を解明する。 また、RAgGeで得られた知見に基づく発展的研究として、本年度育成に成功した三元系希土類ニクトゲン化合物をはじめとする磁化プラトーを有するトポロジカル金属間化合物に対しても単結晶試料を用いた磁性測定・磁気輸送係数測定を行う。特に、トポロジカルな電子構造と磁化プラトーを示す磁気構造の違いにより発現される磁気輸送特性の特徴がどのように変わってくるかをRAgGeにおける成果と比較して議論する事により、磁化プラトーを示す特異な磁性と非自明なトポロジーの相関により発現する物性の解明を目指す。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)