Project/Area Number |
21K03516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 14020:Nuclear fusion-related
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
佐藤 雅彦 核融合科学研究所, 研究部, 助教 (80455211)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 運動論的MHD / 圧力駆動型MHD不安定性 / シミュレーション / MHD不安定性 / 運動論的効果 / ヘリカルプラズマ / MHD |
Outline of Research at the Start |
大型ヘリカル装置(LHD)では、高圧力プラズマの保持に成功している。しかしながら、プラズマを流体としてみなした磁気流体力学(MHD)モデルでは、その保持メカニズムを説明できず、運動論効果、すなわち、個々の荷電粒子の運動の効果の重要性が指摘されている。本研究は、イオンの運動論的効果を取り入れた運動論的MHDシミュレーションにより、LHDで見られる高圧力プラズマの保持メカニズムの詳細を明らかにするとともに、さらなる高い圧力を持つ高性能プラズマを探求する。
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Outline of Annual Research Achievements |
大型ヘリカル装置(LHD)における高ベータプラズマでの圧力勾配駆動型磁気流体力学(MHD)不安定性に対する、熱イオン、及び、高速イオンの運動論的効果の影響について調べた。本解析においては、中心ベータ値が7.5%のMHD平衡に対して、熱イオンの運動論的効果のみを考慮した運動論的MHDシミュレーション、及び、熱イオンと高速イオンの両方の運動論的効果を考慮した運動論的MHDシミュレーションを実施し、両者の結果を比較することにより、高速イオンの運動論的効果が、圧力勾配駆動型MHD不安定性の非線形飽和状態に及ぼす影響を調べた。解析に用いたMHD平衡では、高磁気レイノルズ数において、(m,n)=(3,2)のインターチェンジモードが最も不安定となる。ここで、m, nは、ポロイダルモード数、トロイダルモード数である。高速イオンの運動論的効果を考慮する場合は、高速イオン寄与分の中心ベータ値を0.8%と仮定した。高速イオンを考慮しない場合と比較して、高速イオンを考慮した場合の(m,n)=(3,2)モードの線形成長率は70%に低下する。しかしながら、非線形シミュレーションの結果、(m,n)=(3,2)モードの飽和レベルは、両結果に大きな違いは生じないことがわかった。また、両結果ともに、(m,n)=(3,2)モードの飽和後に(m,n)=(1,1)モードがゆっくりと成長し、最終的には(m,n)=(1,1)モードが支配的なモードどなること、及び、(m,n)=(1,1)モードの飽和レベルも大きな違いが見られないことがわかった。この解析結果から、解析を行った範囲内においては、圧力駆動型MHD不安定性の非線形飽和状態に対して、高速イオンの運動論的効果の影響は小さいことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度においては、LHDプラズマの高ベータプラズマに対して、熱イオンと高速イオンの両方の運動論的効果を考慮したシミュレーション解析を実施し、高速イオンの運動論的効果が、圧力駆動型MHD不安定性の非線形飽和状態におよぼす影響について解析を行った。これまでのところ、中心ベータ値が7.5%のMHD平衡に対して重点的に解析を進めてきた。そのため、中心ベータ値が7.5%とは異なるMHD平衡に対するシミュレーション解析は、十分に行えておらず、イオンの運動論的効果を含めた圧力駆動型MHD不安定性の線形安定性、及び、非線形飽和状態のベータ値依存性の評価に対して、進捗の遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施してきたLHD磁場配位に対する運動論的MHDシミュレーションにおいては、熱イオンと高速イオンの両方の運動論的効果を考慮した非線形シミュレーション解析を行ってきた。この解析では、高速イオンの初期分布はマクセル分布を仮定している。今後は、実験により即した高速イオン分布を仮定したシミュレーション解析を実施し、圧力駆動型MHD不安定性の線形安定性、及び、非線形飽和状態への影響をより高精度に評価する。また、反磁性ドリフト効果を含めたシミュレーション解析も実施し、反磁性ドリフト効果が圧力駆動型MHD不安定性に及ぼす影響を明らかにする。これまでは、中心ベータ値が7.5%のMHD平衡に対して解析を行ってきた。この平衡よりも高いベータ値をもつMHD平衡の作成を行い、同様の非線形シミュレーション解析を実施し、非線形飽和状態とベータ値との関係を詳細に調べる。この解析により、LHD磁場配位における到達可能なベータ値を明らかにすることを行う。また、LHD磁場配位のみならず、他の3次元平衡磁場配位に対しても圧力駆動型MHD不安定性に対する熱イオンの運動論的効果の影響のシミュレーション解析を実施する。これにより、ヘリカルプラズマを含む3次元平衡磁場配位における圧力駆動型MHD不安定性に対して、熱イオン、及び、高速イオンの運動論的効果が及ぼす影響を明らかにし、安定な高ベータプラズマを維持する方法を探求する。
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