Project/Area Number |
21K03517
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 14020:Nuclear fusion-related
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
佐竹 真介 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (70390630)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
|
Keywords | 多目的最適化 / 不純物輸送 / 新古典輸送 / ガウス過程回帰 / 機械学習 / 核融合炉 / MHD安定性 / 最適化配位 |
Outline of Research at the Start |
核融合炉の定常運転を目指す上で、不純物イオンの蓄積を抑制する必要がある。ヘリカル磁場装置では電子とイオンの温度がほぼ等しい場合、新古典輸送理論から予測される径電場が負になると想定され、負電場によって高Zイオンほどプラズマ中心に輸送されることが懸念されていた。しかし、荷電粒子の大域的ドリフト運動を正しく解く新古典輸送計算により、電子とイオンの温度が同程度でも、正の両極性電場ができることが示唆されている。本研究では、磁場配位を最適化することで、正の両極性電場ができやすく、不純物の蓄積が抑制できる条件を研究し、それを機械学習でモデル化することで、核融合炉の最適化配位設計を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度では、2022年度のLHD実験で発見されたプラズマ中心に電子密度のピーク構造ができると不純物イオンの自発的な吐き出し(不純物ホール)が起こらなくなる現象の新古典輸送シミュレーションを進めた。その結果、中心密度ピークしている場合、磁気軸近くの不純物イオンの内向きのフラックスが強まり、密度がフラットな場合はほぼゼロとなるため、実験の傾向と矛盾しないことがわかった。しかし、磁気軸近くでの不純物輸送を説明するには新古典輸送だけでは不十分なため、微視的乱流の影響や、強い垂直NBI加熱が径電場に与える影響など、様々な要因を共同研究者と検討した。なぜピーク分布が出現しそれが不純物ホール形成を阻害するかの理由はまだ研究中であるが、この研究は共同研究者がIAEA FEC2023で報告し、将来の核融合炉における外部加熱による密度分布コントロールの可能性として多くの研究者から注目を集めた。 磁場配位最適化の研究に関しては、コイル形状を様々に変化させて生成した磁場配位において、入れ子の磁気面領域と周辺のストキャスティクスな磁場領域の境目の最外殻磁気面を自動的に高精度に判定する手法を開発した。この方法では、計算した磁力線のポアンカレプロットをひと繋ぎにつないだ線の滑らかさを、情報エントロピーを用いて数値的に評価することで閉じた滑らかな磁気面を同定する。これによってさまざまな磁場配位の教師データを自動的に大量に作成できるようになった。 この教師データでプラズマ体積やMHD安定性の指標であるMercier条件などの評価関数のコイル形状パラメータに対する依存性をガウス過程回帰で学習させ、未知の配位に対する予測を行う方法を指導学生と開発した。その結果コイル形状のパラメータが9つほどあっても、高次元のパラメータ空間内での評価関数のパラメータ依存性をある程度予測できることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
機械学習のモデルの構築、特に大量の教師データを自動生成する方法の確立に予想以上に時間が掛かってしまったため、ガウス過程回帰によるプラズマ性能の予測法の構築が遅れている。そのため、まだ不純物が蓄積しずらい配位に最適化する研究に取り掛かれていない。しかし、計算手法はほぼ完成したため2024年度に不純物新古典輸送の予測研究に取り掛かる予定である。 実験研究に関しては、中心電子密度ピークによる不純物ホールの阻害という新しい現象を発見したためその解析に時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
不純物輸送現象の実験研究に関しては、2023年度にはこれまでの炭素不純物に加え、将来の核融合炉で問題になるタングステン不純物の実験も行う事ができたので、この結果を解析することで、重イオン不純物の輸送現象に関しての知見を増やしたい。また、新古典輸送シミュレーションをタングステンのようなプラズマ中で多イオン価数状態を取るイオン種に適用することは現在の計算資源では非常に困難であるが、まずは近似を用いた簡単な計算法から試してこの実験結果の解析を始め、今後のシミュレーションコードの発展につなげられる研究を開始する予定である。 新古典輸送の予測に関しては、これまでに構築したガウス過程回帰モデルに新古典輸送計算の教師データを学習させ、不純物イオンが蓄積しずらい正の径電場ができやすい磁場配位の探索を行う。
|