Project/Area Number |
21K03531
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武田 真滋 金沢大学, 数物科学系, 教授 (60577881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加堂 大輔 同志社大学, 理工学部, 准教授 (90447219)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | テンソルネットワーク / 乱数 / スペクトルスコピー / 実時間経路積分 / 粗視化アルゴリズム / テンソルくりこみ群 / 実時間ダイナミクス / 格子場の理論 / 非平衡 / 実時間相関関数 / 偽真空崩壊率 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではテンソルネットワーク法を用いて、従来法では難しかった非摂動効果を取り込みながらも長い時間スケールに渡る実時間シミュレーションを行い、量子多体系の実時間ダイナミクスを解明する。具体的には、輸送係数や宇宙の偽真空崩壊率などを計算する方法を確立させるため、まずは1+1次元スカラー場理論などのトイモデルを用いた研究から着手する。
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Outline of Annual Research Achievements |
実時間経路積分をテンソルネットワーク計算で評価する中で計算精度のボトルネックとなるのは粗視化の際に生じる近似誤差である。そこで、今年度はこの問題に取り組み、乱数と特異値分解を組み合わせた新しい粗視化アルゴリズムを開発した。従来型のアルゴリズムでは情報圧縮を実現するために打ち切り特異値分解が採用されていた。しかし、その打ち切りによって系統誤差が生じ、しかも、粗視化プロセスを繰り返し行うことで系統誤差がより複雑になり、 最終的な誤差評価が難しくなるという問題があった。 この問題を解決するために確率的手法と組み合わせることで系統誤差を完全に除去する方法が提案されてはいたものの、その反動として生じる統計誤差の制御が難しく、これまで成功した例は知られていなかった。 そこで本研究では、素粒子物理学の格子QCDの分野でよく用いられるノイズ法と呼ばれる乱数を使って逆行列を効率的に計算する手法をテンソルの分解圧縮計算に適用した。その結果、2次元イジング模型の自由エネルギーの計算精度が従来法に比べて数桁ほど改善することを確認した。 本年はその他にも、テンソルネットワーク法によって模型のスペクトルスコピーを行う計算スキームを新しく提唱した。従来型のモンテカルロ法ではエネルギー固有値を取り出す際に、時間方向の格子サイズが有限であることから起因する系統誤差の制御が難しいという問題があった。しかし、今回提唱した新しいスキームによってそれを完全に除去することに成功した。実証実験として、同スキームを2次元イジングモデルに実装し、対応する厳密解と照らし合わせることでその正当性と実用性を確認した。今後は、より複雑な模型でのスペクトルスコピーを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粗視化アルゴリズムの開発も一定の目処が立ち、今後、より高精度な実時間経路積分の評価に移行することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回新しく開発した粗視化アルゴリズムを1+1次元実スカラー場理論の実時間経路積分の評価に組み込む予定である。それによって、より高精度な結果をえられると期待できる。
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