Project/Area Number |
21K03551
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
白水 徹也 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (10282716)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
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Keywords | 正エネルギー定理 / 高次元時空 / 重力場 / ペンローズ不等式 / 宇宙の加速膨張 / ブラックホール / 角運動量 / 時空の安定性 / 一般相対論 / ダークエネルギー / 重力理論 |
Outline of Research at the Start |
本研究では時空の安定性を保証する正エネルギー定理、特に数学的に難解とされるSchoen&Yauらによる証明に焦点をあて、宇宙論への応用を念頭に証明の改変、拡張を行う。また、時空の安定性を保証するダークエネルギーモデル/重力理論の峻別を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の出発点である正エネルギー定理の新しい証明のアイデアを盛り込んだ論文の発表を学術誌にて行った。我々の宇宙の全エネルギーは仮想的に構成した高次元宇宙の中のブラックホールと似た構造の表面からなる仮想的宇宙のエネルギーよりも大きく、そしてその仮想的宇宙のエネルギーが非負であることを示した。ただし、本研究ではその仮想的宇宙の存在を仮定したが、それは我々の宇宙の中の物質の量子もつれの定量的指標を与えるホログラフィックエンタングルメントエントロピーを計算する際に重要となる高次元時空における面と類似のものであることは注目に値する。一方で、正エネルギー定理をブラックホールに応用したものとして位置づけられるPenrose不等式がある。これはブラックホールのような強重力場に存在する面に対する不等式であるが、前年度に引き続き、弱重力場に拡張した重力検知面に対してさらなる精査を行った。その結果、4つのタイプの重力検知面を提案し、各々に対して角運動量、重力波などの寄与も取り込んだ形で面積不等式の証明を行い、それらの間の比較を行った。また、加速膨張中におけるブラックホールのサイズへの制限を行った。これは1994年の研究に本研究の昨年度の成果を加味したものである。その結果として、角運動量や重力波の効果によりブラックホールの上限サイズが小さくなることを示すことができた。その他、無限遠方への光の到達可能性について再吟味を行い、初期条件により詳細な制限を課すことができた。時空の正エネルギー性と遠方における光線の振る舞いは密接に関係していることが予想されるため、この結果は本研究に重要な視点を与えるものと期待させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の出発点であったSchoen-Yauによる証明の高次元からの新しい解釈と提案に関する論文の査読付き雑誌への掲載に想像以上の時間を要したが、そこで培われた道具立ては想定外の応用に発展した。具体的には加速膨張宇宙のブラックホールのサイズへの上限に重力波、物質、角運動量の効果を系統的に加味したものを考察することが可能となった。また、高次元宇宙モデル、ブレーンワールドへの応用に繋がる可能性を認識することができた。ブレーンワールドにおいて、我々の住む宇宙における重力場はアインシュタインの一般相対論から変更を受けることが予想される。この宇宙に対して、仮想的な宇宙を高次元中に構成し、アインシュタイン方程式からのずれ分を、その仮想的宇宙のエネルギーと我々の宇宙のエネルギー差に組み込むことで我々の宇宙の安定性に関する議論を検討することができた。これらはいずれも当初の計画になかったものの、より豊富な内容を取り込んだものになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の出発点の正エネルギー定理に関する論文において、我々の宇宙から仮想的に構成された高次元時空における見かけの地平面の存在を仮定していた。この面は、仮想的な高次元における仮想的な宇宙とみることもできる。このアイデアを中心に仮定の再吟味を行い、より広いクラスの重力理論への考察に繋げる。第一段階として、高次元宇宙モデル、ブレーンワールドへの応用の具体的な検討を行う。高次元中における仮想的な宇宙を適切に配置し、我々の宇宙と仮想的宇宙の間のエネルギー差の評価を行う。この適切な配置自体が容易ではないことが想定されるが、その試行錯誤から想定外の応用・進展が期待できる。また、このエネルギー差の物理的解釈を行い、ブレーンワールドにおける正エネルギー定理について吟味する。なお、エネルギー差の主要項は素朴には仮想的な宇宙の自由度を表すスカラー場の運動エネルギーのようなものになることが期待される。その結果を基に、加速膨張宇宙などに動機付けられた修正重力理論への応用も検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)