examination of the phase structure of high dense QCD matter within quantum molecular fluid dynamics
Project/Area Number |
21K03577
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Akita International University |
Principal Investigator |
奈良 寧 国際教養大学, 国際教養学部, 教授 (70453008)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | クォークグルーオンプラズマ / 高エネルギー重イオン衝突 / QCD / 微視的輸送模型 / QCD状態方程式 / 輸送模型 / 高エネルギー原子核衝突 / 輸送理論 / 数値シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
核子対あたりの重心系エネルギー3-10GeVでの原子核衝突では、原子核どうしが圧縮され、通常の原子核密度の数倍から10倍近い宇宙最高密度状態が生成される。この状態はクォークとグルーオンの基礎理論である量子色力学(QCD)によって記述されるが、有限温度・有限密度におけるQCDの相構造は未解明のままである。 本研究の目的は、クォークとグルーオンの自由度を追加した流体と粒子の時空発展を同時に追う量子分子流体力学 (Quantum Molecular Fluid Dynamics)を用いたイベントジェネレータを構築し、実験データの理論解析からQCD物質の状態方程式の情報を現象論的に引き出すことである。
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Outline of Annual Research Achievements |
重イオン衝突実験では、入射エネルギー依存性を調べることで、強く相互作用する物質の状態方程式を引き出すことを試みている。とくに、重心系のエネルギー3-10GeVでは、原子核同士が圧縮され、高密度状態が生成されると考えられている。実験から状態方程式の情報を引き出すには、原子核衝突のダイナミックスを記述する理論が必要である。 高エネルギー原子核衝突の時間発展の記述においてボルツマン衝突項は最重要な要素である。衝突の判定基準は、粒子が断面積であたえられる距離以下の場合に衝突する。衝突時間は2粒子の距離が最小になる時間とする。N粒子系のイベント毎のシミュレーションでは、2体衝突が局所的ではないため、6N次元位相空間での粒子の衝突時間はローレンツ共変にすることが難しく、これまで使っていたカスケード法は完全にローレンツ共変ではなかった。テスト粒子法を用いることでローレンツ共変性を回復することができるが、この方法ではイベント毎のシミュレーションができないので、相関やゆらぎの効果が無視されている。 そこで、我々は位相空間を8N次元に拡張し束縛ハミルトニアン理論を用いることで、テスト粒子法を用いずにローレンツ共変なカスケード法を開発した。新しいローレンツ共変なカスケード法は、6N次元のカスケード法と数値計算の量同程である。ボルツマンタイプの衝突項をローレンツ共変にすることで、正しく2粒子の衝突をシミュレートできるようになった。数値的にも計算結果は計算フレームによらないことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高エネルギー原子核衝突のシミュレーションを行う際には、2粒子の衝突項と平均場による状態方程式の効果が重要である。今年度は、ローレンツ共変なカスケード法を開発することで、イベント毎シミュレーションにおいても、ローレンツ共変であるボルツマン衝突項を開発することができた。さらに、平均場の効果を導入するために、相対論的量子分子動力学(RQMD)の改良にとりくんでいる。この改良により、相対論的平均場(RMF)で相互作用するRQMDの新しい運動方程式を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
量子分子動力学(QMD)で使われている近似では、密度依存ポテンシャルを正しく記述できないことが知られている。この問題を改良するために、新しい方程式を開発する。さらに、この方法を相対論的量子分子動力学(RQMD)に拡張し、ローレンツ共変な運動方程式を導出する。この新しいRQMDで粒子の時間発展に関する記述は満足できるものとなり、流体計算と結合することを試みる。 パリティ2重項模型を用いてカイラル対称性を取り入れた相対論的平均場理論にもとづくRQMDを用いて高エネルギー重イオン衝突で生成される集団フローの解析を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(34 results)