三核子系分解反応実験による核力の相対論的効果と多体効果の統括的解明
Project/Area Number |
21K03590
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
前田 幸重 宮崎大学, 工学部, 准教授 (50452743)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 三体力 / 核力 / 中性子 / 原子核 / 少数系 |
Outline of Research at the Start |
原子核を核力レベルから理解することは物理学における大きな目標の1つと言えるが、原子核を理解する上での核力の三体力効果の役割、近年益々重要視されている。 本研究では、150MeV近傍の中間エネルギー領域における陽子-重陽子分解反応実験を行い三核子系分解反応における相対論的効果の検証し、さらに、不安定核ビームであるヘリウム7の分解反応を解析し、軽い不安定核中における3中性子相関状態を研究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
原子核を核力レベルから理解することは物理学における大きな目標の1つと言えるが、原子核を理解する上での核力の三体力効果の役割が、近年益々重要視されている。本研究では、①中間エネルギー領域における陽子-重陽子分解反応実験を行い三核子系分解反応における相対論的効果の検証をする、さらに②7He→(3n)+4He反応という不安定核ビームの分解反応を解析し軽い不安定核中における3中性子相関状態を研究する。研究①として、阪大RCNPで 2H(p,2p)反応の微分散乱断面積測定実験を実施する。研究②として、理研RIBFで実施済みの陽子-8He散乱測定のデータから、三中性子同時計測イベントの解析を行う。この2つの研究を同時に進めて理論との比較を行うことで、中間エネルギー領域の分解反応における「相対論的効果」と「三体力効果」を定量的且つ詳細に理解し、この2つの効果を取り入れた核反応理論を用いて不安定核分解反応における三中性子相関状態を理解する。将来的には、本研究結果を足がかりに、核力の多体効果(三体力)のアイソスピン三重項(T=3/2)成分に関する直接的検証を行うことを目標とする。 今年度は研究①に関して、大阪大学RCNPで実験を行った。230MeVに加速した陽子ビームを重水素化ポリエチレンCD2標的に照射し、散乱陽子を磁気分析器で分析・検出することで、陽子-重陽子分解反応2H(p,p’)の微分散乱断面積測定を行った。RCNPのグランドライデン磁気分析器とLAS磁気分析器を使い分けることで、高分解能測定と広エネルギー範囲測定を実現した。結果はインパルス近似計算と比較し、概ね理論計算で説明できることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
阪大RCNPは2021年度までAVFサイクロトロンのアップグレード工事を進めており、2022年度までは実質的に共同実験を実施できなかった。しかし今年度は陽子-重陽子inclusive分解反応2H(p,p’)の測定を実施することができた。また、理研の理論グループと議論し、陽子-重陽子弾性散乱と分解反応の微分散乱断面積の比が、インパルス近似計算で概ね再現できることが示され、この結果を日本物理学会で発表した。この点は、概ね順調に進んでいると評価する。 一方で、本研究では最終的に陽子-重陽子exclusive分解反応2H(p,2p)の測定を目指している。今年度実施した2H(p,p’)測定で得られた知見を元に、2H(p,2p)反応の準備を進める必要があり、測定条件の検討や重陽子標的の準備などを進める必要がある。実験実施が全体的に遅れていることに伴い、その準備作業も当初予定よりやや遅れている。 よって、全体としてはやや遅れていると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はexclusive分解反応2H(p,2p)の測定ためのビームタイム申請を阪大RCNPに対して行う。申請のために、サイクロトロンのアップグレード後のビーム供給状況に応じて、本研究の実験計画を修正・確定していく。申請が認められた後は、共同研究者の協力の下に実験を遂行し、データ解析を進め、結果について理論研究者との議論を進めて国際会議等で発表する。 実験で使用するCD2標的の放射線損傷対策について、陽子ビーム照射時のシミュレーションを行い、熱対策の必要性を検討する。また、合わせて液体重水素標的も使用する予定であり、その準備を行う。 理研RIBFのデータは、一昨年度までの解析で得られた知見を元に、2中性子検出チャンネルの解析に進み、6Heの不変質量を導出する。6Heの不変質量に関する既存データは少ないので、結果は理論研究者との議論を進めて国際会議等で発表する。その後、3中性子検出チャンネルの解析に進み、7Heの不変質量と、3中性子状態の不変質量スペクトルを導出する。結果は理論研究者との議論を進めて国際会議等で発表する。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Spin correlation coefficient for proton-3He elastic scattering at 100 MeV2022
Author(s)
Watanabe A.、Nakai S.、Sekiguchi K.、Deltuva A.、Goto S.、Hatanaka K.、Hirai Y.、Ino T.、Inomoto D.、Inoue M.、Ishikawa S.、Itoh M.、Kanda H.、Kasahara H.、Maeda Y.、Miki K.、Nonaka K.、Ong H. J.、Oshiro H.、Sakai D.、Sakai H.、Shibuya S.、Tran D. T.、Umetsu H.、Utsuki Y.、Wakasa T.
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Journal Title
Physical Review C
Volume: 106
Issue: 5
Pages: 054002-054002
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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