Development of shipboard analysis using programmable flow injection
Project/Area Number |
21K03673
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17020:Atmospheric and hydrospheric sciences-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
八田 真理子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(北極環境変動総合研究センター), 副主任研究員 (00896110)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 自動分析法の開発 / マイクロフロー法 / ケイ酸塩分析 / ケイ酸塩 / 北極海 / マイクロ法 |
Outline of Research at the Start |
北極海の水循環や物質輸送は、近年の気候変動、急激な海氷の後退によって、大きく変化している。これによる物質循環や生物生産の変化を捉えるために、化学成分、特に栄養塩や微量金属のより広範囲かつ高頻度の試料採取および分析が求められる。しかし、現行の船上・陸上の分析手法は煩雑で、高精度・高品質のデータベースの拡大は難しい。本研究では、マイクロ法によるケイ酸濃度測定法の開発・改良を行い、船上分析手法の飛躍的な向上を目指す。また本研究は、国際共同プロジェクト航海への参加を通して、技術の相互比較と発展に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、野外調査・分析への適応力の高い船上自動分析手法を開発することが目的である。2022年度は、引き続き、開発したケイ酸塩の測定法を用いて、夏季の北極航海にて、観測船「みらい」の表層海水分析室の表層水ポンプから連続的に組み上げられる海水を20分ごとに自動採取 し、そのケイ酸塩の連続分析(約1ヶ月間)を行った。海水およびイオン交換水で調整した標準溶液の傾きは一致せず、これは、今回ヒーターコイルの故障により、温度調整が正常に作動しなかったためと考えられる。ただし、本航海では、海水マトリックスの検量線を同時に測定することで、得られた分析値は従来の船上分析装置からの結果とも一致し、データ取得は正常に行えた。また、2021年航海において、ケイ酸の測定を長時間行うと、白色沈殿がコイル上に発生し沈着してしまうことがわかり、その詳細な成分分析から、シュウ酸カルシウムの沈着であることがわかった。この物質は、不溶性であるため、その形成を防ぐため、測定法の改良を行い、今年度の航海では、コイル中に白色沈殿の形成は見られなかった。さらに、マトリックスの影響を顕著に受けるリン酸の測定法分析を例に、標準溶液の自動希釈法の開発とともに、論文にて報告した(Hatta et al 2023)。特に、標準溶液の自動希釈法は、本測定法がペリスタリックポンプではなく、シリンジ式の精度の高いMilliGATポンプを採用していること、さらには、それぞれの混合過程において、完全に混合している領域のみを切り取って分析することが可能であるため、実現した手法であり、この方法の導入により人為的エラーを軽減でき、またさらなる完全自動化への足掛かりとなる重要な成果を挙げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目の研究計画は、オーストラリア主催の航海への参加であったが、コロナの影響により延期されたため、代わりに実施した北極航海中に、さらなるケイ酸塩の分析を行い、その手法の改良および追加基礎実験を行うことができた。2021年に問題視されたコイル上に沈着した白色沈殿の成分分析を行い、測定法の改良および現在さらなる分析法の簡略化を進めることができた。また、マトリックスによる影響をどのように対処すれば良いかを、リン酸塩の分析法を用いて、議論し論文として執筆し、出版された。また、この論文では、標準溶液の自動希釈法の開発により、人為的なミスやエラーをなくすことができる画期的な手法を報告できた。
2022年度は、自動分析法の開発のみならず、2021年度、及び2022年度の野外調査からの結果から、さらなる測定法の改良に着手できたため2022年度の研究は、概ね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度も、引き続き、ケイ酸分析法の改良、特に、化学反応に関してより詳細な知見を得る追加実験を実施する。具体的には、ケイ酸分析に最適な、モリブデン濃度と硫酸濃度の最適条件を調べ、またこのモリブデンを含む試薬に、ある一定濃度の塩化ナトリウムを追加することで、化学平衡を人為的に制御する。
2023年度の国際栄養塩インターキャリブレーション航海に参加し、今 までに確立された手法のマニュアル化を進め、プログラミングの最適化を図る。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)