高圧下における鉄ー軽元素混合液体の結合状態と不混和に関する第一原理分子動力学計算
Project/Area Number |
21K03705
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
大村 訓史 広島工業大学, 工学部, 准教授 (90729352)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 液体鉄混合系 / 3元系 / 電子状態計算 / 分子動力学法 / 結合状態 / 高圧物性 / 機械学習型原子間ポテンシャル / 第一原理分子動力学計算 / 液体鉄ー軽元素混合系 / 不混和性 |
Outline of Research at the Start |
地球外核(液体核)の熱伝導率などの輸送特性に関して、これまで多くの研究がなされており、軽元素(H,C,O,Si,S)の及ぼす影響は解明されつつある。しかしながら、2種類の軽元素が含まれた場合の不混和に関する問題、すなわち、軽元素がそもそも液体鉄に溶けない可能性については未解決のままである。本研究では、この液体鉄の混和―不混和問題に第一原理分子動力学シミュレーションと原子間結合状態の解析によって、解決を図る。本研究によって得られる結果は、現在の地球外核の構成物質を制約するための新たな情報となり、さらには、地球核の形成・進化過程を知るために必要な知見となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、2種類の軽元素を含む液体鉄合金の高圧下における不混和性を解明する目的で、分子動力学シミュレーションを行っている。2022年度の主要な研究成果は以下の通りである。
1)2021年度の液体Fe-Si-O系に加え、2022度は液体Fe-H-O、Fe-C-O、Fe-S-O混合系に対して第一原理分子動力学シミュレーションを行い、結合状態と構造的性質を詳しく調べた。シミュレーションから得らえた動径分布関数から、これら3つの系では、Si-Oのような酸素とその他の軽元素間(H-O,C-O,S-O)に強い結合は見られない。しかし、C-C間は強い結合を示すことが分かった。また、ポピュレーション解析を行ったところ、このC-C結合はSi-O結合とは異なり、電荷にはあまり影響を与えないことも明らかとなった。さらに硫黄に関しては、硫黄の量が少ないときは斥力的な相互作用を示し、硫黄の含有量が多くなるにつれその斥力的な相互作用が弱くなるという顕著な含有量依存性を示すことが明らかとなった。
2)第一原理分子動力学シミュレーションから得られた結果を教師データとして、機械学習型の原子間ポテンシャル(人工ニューラルネットワーク原子間ポテンシャル)を作成した。エネルギーに加え、圧力を教師データに加えることでSi-O、C-Cの強い結合をはじめとする静的構造をよく再現し、また平均2乗変位などの動的性質を再現するポテンシャルを作成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた系の第一原理分子動力学シミュレーションはほぼ終了しており、結果の解析も順調に進んでいる。また、これらのシミュレーション結果から機械学習型の原子間ポテンシャルを作成することにも成功しているため、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1つの温度圧力状態において、機械学習型の原子間ポテンシャルの作成に成功したため、今後は温度と圧力を変化させても安定してシミュレーションが行るようなポテンシャルの作成を行う予定である。また、計算系の粒子数を増加させ、長時間の分子動力学シミュレーションを行うことで、第一原理分子動力学シミュレーションでは直接みらなれい混和・不混和状態を詳しく調べる予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Liquid Structure of Tantalum under Internal Negative Pressure2021
Author(s)
K. Katagiri, N. Ozaki, S. Ohmura, B. Albertazzi, Y. Hironaka, Y. Inubushi, K. Ishida, M. Koenig, K. Miyanishi, H. Nakamura, M. Nishikino, T. Okuchi, T. Sato, Y. Seto, K.Shigemori, K. Sueda, Y. Tange, T. Togashi, Y. Umeda, M. Yabashi, T. Yabuuchi, and R. Kodama
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Journal Title
Physical Review Letters
Volume: 126
Issue: 17
Pages: 175503-175503
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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