Project/Area Number |
21K03712
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 徳行 北海道大学, 理学研究院, 名誉教授 (00144692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 純 岡山大学, 惑星物質研究所, 教授 (40568713)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 付加体 / アンダースラスト堆積物 / メタンガス / 水素ガス / 泥火山 / ガスハイドレート / 水溶性ガス田 / 地震破壊域 / BSR / 沈み込み帯 / 深部ガス / 窒素ガス |
Outline of Research at the Start |
関東から沖縄に至る日本の太平洋側には付加体と呼ばれる広大な地質体が連なっている.付加体深部では多様な有機起源ガスや無機起源ガスが生成しており,物質循環,微生物活動,ガスハイドレート・天然ガス資源形成,断層活動・地震発生に影響を与えている.しかし,付加体深部ガスの生成や挙動には不明な点が数多い.本研究では付加体において150~600℃の温度を経験した泥質岩や泥質片岩を採取し,それらの中に残留している炭化水素ガス,水素ガス,窒素ガス,二酸化炭素などの多様なガス成分の組成の違いを明らかにする。そして,天然ガス資源形成や日本列島成長における付加体深部ガスの役割を解明する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度はこれまでの研究成果を総括し、主に文献調査と論文執筆を行った。総括した研究成果を石油技術協会春季講演会(6月6-8日、秋田市)と日本地質学会第130年学術大会(9月17-19日、京都市)にて発表し、研究討論を行った。これらの学会での議論を加味して、フィリッピン海プレートの沈み込み帯における熱分解起源のメタンと水素ガス生成の続成・変成作用に関する研究成果を論文にまとめた。この論文は2023年10月9日にオープンアクセス学術誌であるCommunications Earth & Environment (Springer Nature社)へ投稿した。11月24日に査読結果と論文原稿の修正依頼が届き、査読者のコメントに考慮して論文を修正し12月20日に再投稿した。そして、2024年2月21日に論文が受理されオンラインで公開された。 本研究成果は北海道大学より3月6日付けで「南海トラフでの持続的なメタンと水素ガスの生成~海洋プレートの沈み込みによる世界最大級の微生物メタン生成~」のタイトルでプレスリリースされた。これまでに、日本経済新聞、テレビ東京、東京新聞よりオンラインビデオ通話と電話により取材を受けた。本研究成果は4月2日の日本経済新聞に掲載されたほか、4月下旬に動画公開(テレビ東京BIZ)、5月5日(または、5月19日)に新聞掲載(東京新聞)の予定となっている。また、インターネット上でも、大学ジャーナルオンライン、ケムネット東京、文教速報デジタル版ほかで紹介された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの研究成果を国際誌であるCommunications Earth & Environment (Springer Nature社)にて公表し、本科研費研究の当初の目的はほぼ達成しつつある。本論文ではフィリッピン海プレート沈み込み帯の南海トラフ域を対象にしたが、同海洋プレートは関東地方方向にも沈み込んでおり相模トラフを形成している。相模トラフにおける海洋プレート沈み込みに伴う熱分解メタン・水素の生成と主に微生物メタンからなる南関東ガス田の形成については石油技術協会春季講演会(2022年度)にて既に研究発表を行っている。しかし、コロナ感染による行動規制で研究計画の遂行が既に遅れ気味であったこと。さらに、本研究分担者の亀田が他大学へ異動することとなり、当初の計画通りに共同研究を進めることができず、本年度内に相模トラフと南関東地域での海洋プレートの沈み込みによる深部ガス生成に関する論文作成が完了していない。また、Communications Earth & Environmentでの論文公開が予定より遅れたため本年度内に論文掲載料の精算を完結させることができなかった。本科研費研究は本年度が最終年度であったが、以上の理由により科研費の1年延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
相模トラフの沈み込み帯に位置する南関東の水溶性ガス田は微生物メタンを主体としており、南海トラフの微生物メタンと同様にフィリッピン海プレートの沈み込みに伴うアンダースラスト堆積物中での水素が重要な役割を果たしていることが予想される。同水溶性ガス田は世界最大量のヨウ素を埋蔵している。しかし、微生物メタンとヨウ素がなぜ共存しているのかその理由は未だ明らかにされていない。これまでの研究を通じてこの謎を解明できるヒントを得ており、本研究の成果をさらに生かすためにも、この問題の解決に挑んで論文をまとめて公表し本科研費研究を終了させたい。
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