Project/Area Number |
21K03719
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 武男 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (40377982)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | GNSS / 広域地殻変動 / スマラン市 / InSAR / ひずみ / 地震発生ポテンシャル / 活断層 / ひずみエネルギー / ブロック運動モデル |
Outline of Research at the Start |
インドネシアジャワ島中央部に位置するSematang市近傍には 3つの活断層の存在が確認され、その一つのKendeng断層は中央ジャワから西ジャワを横切る全長300kmにも及ぶ。本研究では、超稠密な測地学的観測に基づくブロック運動モデルを構築し、活断層沿いにおける滑り遅れ速度を推定するだけでなく、ジャワ島内のブロック運動モデルの再構築を試みる。また、ブロック内の歪み速度から歪み蓄積エネルギー速度を推定し、地震カタログによる微小地震による歪み解放エネルギー速度と比較することで、ブロック内に発生する地震についての地震発生ポテンシャルの評価を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、インドネシアのジャワ島において、稠密なGNSSキャンペーン観測と現地調査を行い、地震発生ポテンシャルの調査を実施しました。研究開始当初から新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限が緩和され、スマラン市近郊に10点のGNSS観測点の測量を新設、観測の継続をしている。
さらに、スマラン市近郊におけるInSAR解析も並行して実施し、地殻変動分布を明らかにしました。その結果、水平方向には顕著な変動は確認できなかったものの、上下方向には年間10cm程度の広域な沈降が認められました。この沈降量はBIGのGNSS観測点のデータとも整合しており、GNSS観測点を補完する形でより広域なInSAR解析から、詳細な沈降領域が確認されました。これらの沈降域は、地質構造との関連性が高く、地下水面の高さとの相関が高いことを明らかにしました。これらの結果は国際誌に出版済みです。 また、ジャワ島に設置された10年間のGNSS基盤観測網のデータを解析し、広域なGNSS観測網を用いて、ブロック運動モデルを適用して、ジャワ島内の活断層について地震発生ポテンシャルの評価を行なった。特に、スマラン市に存在する活断層の地震発生ポテンシャルが比較的高いことを示しました。ここの結果についても国際誌に掲載済みです。 以上の成果は、スマラン市およびその周辺地域における防災対策の強化に重要な情報を提供するものであり、地質学的および水文学的な要因が地殻変動に及ぼす影響を理解する上で貴重な結果です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
InSAR解析による高密度地殻変動の成果を国際誌に出版しました。これにより、スマラン市およびその周辺地域の地殻変動の詳細なメカニズムの解明に寄与しました。また、スマラン市内においてGNSS観測網を構築し、データの蓄積が進行中です。これらの観測データは、今後の解析やモデル構築に不可欠な基盤を提供します。
さらに、ジャワ島全体の解析を行うために、10年間にわたるGNSS基盤観測網のデータを活用し、その成果を国際誌に出版しました。この研究は、広域な地殻変動の理解と地震発生ポテンシャルの評価に貢献しています。
以上のような成果と進捗状況から、本研究は概ね順調に進展していると評価しています。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集を継続し、InSAR解析のさらなる高度化を図ります。これにより、地殻変動の詳細なメカニズムの解明を進めるとともに、精度の高い地殻変動マッピングを実現します。具体的には、これまでに得られたInSARデータを用いて、スマラン市およびその周辺地域の地殻変動のパターンを詳細に解析し、時間的および空間的な変動を明らかにする予定です。
次に、GNSS観測網から得られるデータをさらに蓄積し、それを用いた解析を強化します。これにより、個別の断層の地震発生ポテンシャルを評価し、地域の地震リスク評価を精度高く行います。特に、スマラン市に存在する活断層に焦点を当て、その地震発生ポテンシャルを定量的に評価することを目指します。
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