Project/Area Number |
21K03742
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17050:Biogeosciences-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
伊規須 素子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 准研究副主任 (00518285)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 安定炭素同位体比 / 最古堆積岩 / グラファイト / 炭質物 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,最古堆積岩中の炭質物の生物起源性について再評価する。岩石薄片中の個々の炭質物に着目し,光学顕微鏡観察・局所分析により,基質鉱物と炭質物の空間分布および炭質物の熟成度を考慮し,真に初生的な炭質物が有する安定炭素同位体組成を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カナダ・ラブラドル地域から産出した約39.5億年前の堆積岩に保存されるグラファイトが生物起源であるか否かを再評価することを目的とする。そのために、個々のグラファイト粒子に着目し、二次元高分解能二次イオン質量分析法(NanoSIMS)でその炭素同位体比を明らかにする。具体的には、基質鉱物とグラファイトの空間分布およびグラファイトの熟成度を考慮し、真に初生的なグラファイトが有する炭素同位体比を明らかにすることを目指した。 今年度は、前年度までにNanoSIMS分析を行ったデータをとりまとめた。その結果、全体としてグラファイトの炭素同位体比は-30‰~7‰であった。炭素同位体比は、泥質岩、礫岩、チャートノジュールで鉱物に包有されるか否かに関わらず不均質であった。その一方、炭酸塩岩では比較的均質であった。また、大局的に見ると、岩相ごとに、泥質岩<礫岩=炭酸塩岩=チャートノジュールの大小傾向があった。先行研究(Tashiro et al., 2017)で報告された全岩の炭素同位体比に比べ、礫岩では重い値を示す傾向があり、泥質岩、炭酸塩岩とチャートノジュールでは概ね調和的だが一部で重い値が観察された。 以上の結果から、ラブラドル地域における堆積岩中の個々のグラファイトの炭素同位体比は大きなバリエーションを持つことがわかった。本地域の炭酸塩の炭素同位体比は-3.8‰~-2.6‰と報告された(Tashiro et al., 2017)ことから、炭酸塩とグラファイト間の炭素同位体比の差が20‰を超える粒が存在する。これらのことから、本地域のグラファイトの一部は無機的に生成された可能性があるが、一部は生物起源であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R5年度より勤務先は同一だが、雇用された職員となり個人研究以外の業務に携わるようになった。また、自身と子(未就学児および小学生)が感染症に罹り、医師から自宅待機を指示された期間が複数回あった。これらのことが重なり、当該研究課題に十分な時間を割くことができなかった。 年度当初の計画のうち、前年度までに取得した同位体比データをとりまとめ、学会で発表することはできた。しかし、炭素同位体比が得られた試料に対する基質鉱物の化学分析については、データ取得に留まり、データ解析や学術論文執筆には至らなかったので、やや遅れていると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得た結果をとりまとめ、成果を学会・学術論文等で公表できるようにする。
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