Development of Statistical Plasticity for Reconstruction of Macroscopic Material Properties Induced by Microscopic Fluctuations
Project/Area Number |
21K03745
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青柳 吉輝 東北大学, 工学研究科, 准教授 (70433737)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | ゆらぎ / 多結晶材料 / 力学異方性 / 結晶方位 / 転位密度 / 強圧延材料 / 材料特性予測 / 微視的ゆらぎ / 極値統計解析 / 統計塑性学 / 材料特性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,材料内部に存在する「ゆらぎ」に注目し,材料の微視的構造に基づく真の構造解析システムの創成を目指す.材料の微視的構造に注目すると,完全に同じ構造を有する領域は一部として見られず,構造の差に起因して材料は異なる挙動を示す.すなわち,ごく一部の微視的構造に注目しても材料全体としての力学挙動を再現することは不可能である.本研究ではこの様な構造の差を「ゆらぎ」とし,統計学分野における極値分布理論を用いて不均質材料の変形挙動を高精度に再現するCAE システムを確立する.
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Outline of Annual Research Achievements |
あらゆる構造用材料の内部に潜む不均質性,すなわち微視的組織の「ゆらぎ」に注目し,古典的塑性論に頼った構造解析の現状を打破する.材料が微視的「ゆらぎ」を有するが故に,ナノ・マイクロスケールの数値シミュレーションでは材料の巨視的機械的特性を未だに再現出来ていない.本研究では,微視的構造を模擬した変形シミュレーションの結果に基づいて,構造用材料の巨視的機械的特性にも発現する「ゆらぎ」を統計学的に予測する. 本年度は,圧延集合組織の配向を定量的に評価する手法を構築した.また,配向度に基づいてFEM解析モデルにおける集合組織を再現する手法を提案した.次に,圧延シミュレーションを実施し,圧延後のRSSと転位密度増加量の関係を定量的に明らかにした.また,巨視的変形条件および結晶方位からRSSを算出する手法を提案し,結晶方位情報に基づいてすべり系ごとの転位密度分布も考慮した結品塑性FEM解析方法を提案した.提案した手法の有効性を検証した結果,RSSの値が大きいほど圧延後の転位密度が大きくなることがわかった.また,圧延を行うとRDへのシュミット因子が大きいすべり系の転位密度が大きくなり,RD引張時にはその高い転位密度の影響が自己硬化として,TD引張時には潜在硬化として硬化に影響を及ぼしてTD引張時の降伏応力が高くなった.さらに,配向度に基づく結晶方位分布のみを考慮した解析モデルでは十分な力学的異方性は再現できないことがわかった.配向度を考慮した結晶方位分布と結晶方位分布に依存した圧延誘起の転位密度増量分布を考慮した解析モデルでは,結晶方位分布のみでは不十分であった力学的異方性が発現し,実験結果とも良く一致した.したがって,圧延材料の力学的異方性を再現するためには従来の結晶方位分布に加えて転位密度分布も考慮することが必須であることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来の結晶方位を無作為に選択する手法では被加工金属材料の力学特性を正確に表現できないことがわかったため,本年度はその課題解決に取り組んだ.結晶方位と巨視的変形情報から転位密度を予測するという画期的な手法を開発することによってこの問題を克服した.当初の計画では複相鋼材等の材料を対象に解析を行う予定であったが,力学特性を的確に再現できなければ意味がないため,当該課題を優先して検討した.当初予定した金属材料および高分子材料に対してナノインデンテーション試験は順調に実施している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は不均質材料として,炭素繊維強化熱可塑性高分子材料,複相鋼材を対象とする.それぞれの材料に対して,(i) 試料作成・微視的組織観察,(ii) ゆらぎを考慮した微視的組織を再現するシミュレーションモデルの作成,(iii) 微視的組織情報に基づくマルチスケールシミュレーション,(iv) 解析結果の統計学的処理による機械的特性の巨視的ゆらぎの再構築,(v) 巨視的構造解析を行い,不均質材料の変形挙動を高精度に再現するCAEシステムを創成する.また,本システムの妥当性を検証するために,すでに実施済みのナノインデンテーション試験の結果に基づき,微視的機械的特性と巨視的機械的特性の関係について把握する.
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Report
(2 results)
Research Products
(26 results)