Project/Area Number |
21K03752
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松田 聡 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (40316047)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | エポキシ樹脂 / 不均一構造 / 吸水特性 / 疲労 / 接着 / ガラス転移温度 / エポキシ接着剤 / 疲労特性 / ナノ構造 |
Outline of Research at the Start |
本研究「エポキシ樹脂の不均質構造の定量化と疲労特性への影響」では,ナノオーダーでの不均質性を制御し,マクロな機械的特性を改善することを目的とする.まず,動的粘弾性を用いた吸水によるネットワーク構造の不均質性の顕在化を足掛かりとし,不均質性を定量化する手法の確立を行う.化学構造設計や硬化条件制御により不均質性の異なるネットワークを有するエポキシ樹脂の作製を試みる.作製したエポキシ樹脂の疲労特性,接着疲労特性について調べ,不均質構造との関係を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題の最終的な目的は,ネットワーク構造と疲労下限界のミクロな破壊プロセスとの関係を実験的に明らかにし,マクロな疲労き裂伝ぱ抵抗へ及ぼす影響を知ることである.令和4年度は,前年度までに確立したネットワーク構造顕在化手法と物性の関係を明らかにするとともに,不均一ネットワーク構造を有する接着剤の接着疲労特性を調べた。 二種類のアニオン重合型触媒を用いて,平均架橋密度が同じとなるエポキシ樹脂硬化物を作成した.これらは吸水前は均一な粘弾性挙動,吸水後に不均一な挙動がみられ,潜在的な不均質構造を有した.これらについて,ガラス転移温度領域,吸水挙動,曲げ特性,破壊靱性値を調べたところ差がみられることを明らかにした.それぞれの特性について粘弾性から明らかにしたネットワーク不均質性から説明することができ,架橋密度差,その連続性など構造の推定が可能であった. また,平均分子量が同じで分布が異なる,吸水前から不均質構造が異なる接着剤組成を作成し,接着疲労特性を調べた.曲げ強さ,弾性率および静的接着強さは不均質性の影響を受けず,平均的な構造が支配因子であることを明らかにした.接着疲労寿命は不均一性が大きくなるほど低下する傾向を示すことがわかった.不均一性の高い接着剤はマイクロメートルサイズで相分離構造を有志,疲労き裂進展は架橋密度の高いき裂伝ぱ抵抗の低い領域を選択的に進展することを明らかにし,局所的な構造が破壊に寄与することを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は,樹脂の不均一性と物性,接着疲労特性との関係について一定の成果を得た.しかしながら,キャンパス整備により研究室の移転があったため,約3ヶ月実験が停止することとなり,当初予定していた試験の一部が行えない状態であった.このため,進捗状況に遅れが生じることとなった.令和4年中に移設作業が終了したため,今後予定通りに研究を進めていく.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である令和5年度は,樹脂の疲労き裂伝ぱ抵抗と接着疲労特性の評価を中心に行っていく.疲労試験機が1台増え,これまでの遅れを十分に取り戻すことが可能である.また,樹脂の不均一性の可視化について微細構造観察や磁気緩和特性から明らかにする.
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