Prediction of fatigue limit of three-dimensional shaped article under extreme environment and extension of thruster life with combustion test.
Project/Area Number |
21K03783
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
黒田 大介 鈴鹿工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (70343879)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | Ni基耐熱合金 / レーザー積層造形法 / EBSD / 機械的特性 / 残留応力 / 疲労特性 / 動的再結晶 / 半値幅 / ミクロ組織 / 高温環境曝露 / アンモニアガス / 3D造形体 / 宇宙衛星用スラスタ / 疲労限度予測 / 燃焼試験 / 高温特殊環境 |
Outline of Research at the Start |
レーザー積層造形法(SLM)で製造した625合金製の実機スラスタの疲労特性をスラスタ作動を模擬した800℃の高温特殊環境中で評価する。残留応力、結晶異方性、内部欠陥ならびに高温特殊環境(温度、雰囲気)がAM材の疲労耐久性に与える影響を定量化し、疲労限度予測の基礎データとして蓄積する。蓄積データと燃焼試験データを比較・検証して造形プロセスにフィードバックし、現状の2倍以上の寿命のAM製スラスタを実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
R4年度までの積層条件で作製した実機スラスタの触媒保持部材のミクロ組織観察では、積層方向(BD)に垂直な面ではレーザー痕、BDに平行な面ではビード形状の溶融池と溶融池境界が観察された。燃焼試験後の触媒保持部材では長さが数100μm程度のき裂と疲労破壊が観察された。微細なき裂部分ではレーザー痕は非常に不明瞭となり、等軸組織が観察された。これは、燃焼試験中の動的再結晶を示唆している。また、等軸組織部分では粒界割れが観察された。等軸組織の結晶粒界ではKAM値が高いことから、蓄積したひずみがき裂発生に寄与していると考えられる。疲労き裂は主に粒内を進展しており、き裂進展には高温、高圧の燃焼ガスによる繰り返し変形が寄与していると考えられる。 以上の結果から、R5年度は一部構造を改良したスラスタを作製し、同様の積層条件でVEh(引張軸と積層方向が垂直)とLEh(引張軸と積層方向が平行)の板材も新たに作製した。作製したVEhとLEhの室温における引張強さはそれぞれ1011 MPaと923 MPaであり、昨年度までに作製した積層材と比較して、引張強さはVEhについては約8%、LEHについては約5%向上した。 RSP試験装置を用いて、最大応力を引張強さの90~60%、片振り(R=0)、正弦波、10 Hz、試験温度を室温と800℃の条件で既存の625合金展伸材ならびにVEhとLEhの疲労特性を評価した。最大応力を引張強さの80%とした場合の室温における破断までのサイクル数の比較では、既存の展伸材は164,000サイクル、LEhは23,000サイクル、VEhは17,000サイクルであった。また、最大応力を引張強さの80%とした場合の既存の展伸材の800℃における破断までのサイクル数は、600サイクルであった。800℃での疲労試験では、疲労試験中の動的再結晶とそれによるひずみの減少が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R4年度に実施した室温と高温環境における疲労試験ならびに半値幅と残留応力の測定により、半値幅とビッカース硬さとの間に相関関係があること、疲労破壊時の半値幅を計測することで、疲労限度を予測できる可能性が示唆された。また、R5年度に実施した燃焼試験後の実機スラスタの触媒保持部材のミクロ組織観察では、RSP試験装置を用いて800℃で疲労試験した試験片と同様に動的再結晶とそれによるひずみの減少が確認できた。実機スラスタの改良にともない、新しく作製したVEhとLEhの疲労特性評価を進めることで、燃焼試験とのデータ整合性の検証も計画通りに実施できる見込みである。 なお、R4年度に素材変更したRSP試験装置の試験片固定治具について室温での高サイクル疲労試験における耐久性が確保できないことがわかった。また、RSP機構を組み込んだ疲労試験機本体の経年劣化による不具合も発生したが、R5年に実施した試験片形状の変更、疲労試験機の修理により、計画通りに研究遂行できる見込みである。 以上のような進捗状況より、本研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的はSLMで製造した625合金製の実機スラスタの疲労耐久性におよぼす残留応力、結晶異方性、内部欠陥ならびに高温特殊環境の影響を定量化することである。 R5年度に実施した燃焼試験後の実機スラスタの触媒保持部材では、動的再結晶によるミクロ組織の等軸組織化、等軸組織の結晶粒界での粒界割れの発生、部材表面からのき裂発生、結晶粒内での疲労き裂進展が確認できた。R6年度はR5年度に燃焼試験した実機スラスタならびに改良した実機スラスタの触媒保持部材の残留応力測定(cos-α法)、析出物、再結晶組織を含むミクロ組織解析(XRD、EBSD、STEM)を行う。それらとRSP試験装置により疲労特性を評価したVEhとLEhの残留応力、析出物、再結晶組織を含むミクロ組織を比較・検証することで、疲労限度予測式を策定する。得られたデータを実機スラスタの造形プロセスにフィードバックし、現状の2倍以上の寿命をもつスラスタの実現を目指す。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)