Project/Area Number |
21K03818
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18030:Design engineering-related
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
小田 和広 大分大学, 理工学部, 教授 (50280459)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 接着接合 / 接着強度 / 特異応力場 / 干渉効果 / 切欠き / 二重特異性 / 特異応力 / 界面き裂 |
Outline of Research at the Start |
軽量化や省エネルギーのため,異種材料の接着接合構造はキーテクノロジーのひとつとして幅広い分野で普及しており,その高強度化が急務となっている.接着接合構造の強度上の最弱部は界面端部に生じる応力集中であり,界面端部の特異応力場が界面破壊を支配している.本研究では,界面端部に発生した直後の微小き裂の挙動を定量的に解明するとともに,接合界面近傍に設けた付加切欠きによる接着構造の高強度化を検討する.付加切欠きの位置・形状によって界面特異応力分布が変化するため,破壊強度を制御できる可能性がある.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,突合せ丸棒接着継手の接着界面近傍に円周切欠きを付与し,切欠き干渉効果によって界面端部特異場の強さの低減および接着強度の向上を目指している.これまでの研究で,切欠きを設けることによって,接着界面端部に生じる特異応力場を低減することで,接着強度が増加することが実験的にも示された.しかしながら,切欠きを深くするほど,界面端部付近の応力場は低下するものの,一方で,試験片内部の応力が増加し,試験片内部で破壊が生じることが明らかとなった.このため,界面端部の特異応力場の低下から期待されるほど接着強度が向上しないという問題が生じた.そのため,本年度では,切欠きの代わりに,接着面をフィレット形状とした丸棒試験片を考案し,接着強度の測定を行った.提案した新しい突合せ接着継手は,界面端部の特異応力場はほとんど生じず,また,試験片内部の応力もほぼ一定である.このことから,提案した接着継手は,従来の突合せ丸棒接着継手において界面端部に特異場が生じない継手形状であるとみなすことができる.この試験片形状については,試験片のフィレット長さ,フィレット厚さ,フィレット角部の曲率半径を変化させ,繰返し有限要素解析を行うことによって接着界面上の応力分布を解析し,最適形状を求めている.この試験を用いて引張強度試験を行った結果,接着強度は,通常の試験片よりも,およそ2倍程度向上した.さらに,接着層厚さを0.1mmから2mmまで変化させても,ほとんど一定の接着強度が得られる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,突合せ丸棒接着継手の接着界面近傍に円周切欠きを付与し,切欠き干渉効果によって界面端部特異場の強さの低減および接着強度の向上を目指している.これまでの研究で,切欠きを設けることによって,接着界面端部に生じる特異応力場を低減することで,接着強度が増加することが実験的にも示された.しかしながら,切欠きを深くするほど,界面端部付近の応力場は低下するものの,一方で,試験片内部の応力が増加し,試験片内部で破壊が生じることが明らかとなった.このため,界面端部の特異応力場の低下から期待されるほど接着強度が向上しないという問題が生じた.そのため,本年度では,切欠きの代わりに,接着面をフィレット形状とした丸棒試験片を考案し,接着強度の測定を行った.提案した新しい突合せ接着継手は,界面端部の特異応力場はほとんど生じず,また,試験片内部の応力もほぼ一定である.このことから,提案した接着継手は,従来の突合せ丸棒接着継手において界面端部に特異場が生じない継手形状であるとみなすことができる.この試験片形状については,試験片のフィレット長さ,フィレット厚さ,フィレット角部の曲率半径を変化させ,繰返し有限要素解析を行うことによって接着界面上の応力分布を解析し,最適形状を求めている.この試験を用いて引張強度試験を行った結果,接着強度は,通常の試験片よりも,およそ2倍程度向上した.さらに,接着層厚さを0.1mmから2mmまで変化させても,ほとんど一定の接着強度が得られる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により,切欠きを付与した突合せ接着継手は,界面端部の特異応力場が低減され,接着強度が向上することが明らかとなった.さらに,フィレット形状の突合せ接着継手を提案し,その接着強度は,接着厚さを1mm程度とする通常の突合せ継手の2倍程度になることを実験的に明らかにした.切欠き付き接着継手については,切欠き位置の影響については検討していないため,最終年度は,切欠き位置を変化させた接着試験片を作製し,接着強度に対する影響について検討する.また,破壊位置の変化についても破面観察を中心に明確にする予定である. 実験ならび解析においても,これまでの研究は順調に進んでいるため,研究計画の大幅な変更はない.
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