Bifurcation structure and collective motions of a self-propelling droplet driven by surfactant
Project/Area Number |
21K03855
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 正敏 京都大学, 理学研究科, 講師 (40403919)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | アクティブマター / エマルジョン / 自己駆動液滴 / マイクロスイマー / 相分離 / マイクロ流体デバイス |
Outline of Research at the Start |
自己遊泳する液滴やその集団が、自発的対称性の破れや集団運動として顕現させる時空間構造の解明を目指す。動きに関する対称性の破れ(運動の多様化)がどこから創発するのか、この現象に潜む数理的な構造と流体力学的なメカニズムはどの様なものか、実験と理論の両面から解明する。実験によって対流モードの解析を行い、理論モデルとの定量比較を通じて転移現象を解析する。さらに、単独液滴で得られた知見を多数液滴の集団運動や協調的な運動に応用して集団運動での特徴を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自己駆動して遊泳運動する液滴が示す直進運動が湾曲運動へと転化するメカニズムの解明を目指している。前年度はサイズの大きい液滴であるほど直進運動から湾曲運動へと運動様相を変化させる性質について実験と数理モデルの両面から研究を進めた。その結果、遊泳モードの転移に伴うゆらぎや摂動に対する直進安定性の変化という転移的な現象であることを明らかにした。しかし、熱ゆらぎや界面活性剤の濃度ムラ、ミセル化反応に見られる平衡から外れたノイズなど多様なノイズ源に対してどの様な運動軌道を示すかは不明であった。今年度は、この外部摂動やノイズに対する応答について数理モデル上での運動変化を検討し、実験で得られる軌道との比較から、動きに関する主要な特徴を左右している要素を考察した。
実験では自己遊泳液滴のサイズが増大すると直進性が弱くなり、半径70~100μmを境に湾曲運動となる結果が得られている。この空間スケールで液滴表面の界面活性剤濃度分布の双極子成分の向きや液滴の速度ベクトルに働く摂動としては、液滴自体のブラウン運動、航跡などに残される濃度むら、膨潤ミセル形成の振動的なダイナミクス等が候補になる。それらを想定し、ガウシアンホワイトノイズとスポラディックノイズの2種類を検討した。スポラディックノイズは造語であり、長時間の統計はポアソン的であるが液滴運動の時間スケールでは間欠的にランダムなパルスが与えられるノイズ形状になっている。両者をそれぞれ運動の転移点をはさんで直進状態と湾曲運動状態に当たる条件に加えて数値計算を行った。ノイズは進行方向を直接揺動するので共にノイズを反映するが、直進条件のものはノイズ幅が縮小される形で運動軌道に反映され、湾曲条件では拡大された。特にスポラディックノイズは実験の軌道と定性的に一致する事から、実験での摂動が濃度むらが第一候補である事を提案した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画当初に具体的に予定していた実験や数理モデルの構築は予定通りに進捗し、研究成果を公表する事ができた。発展的課題として期間後半に予定していた多数液滴での実験に取り掛かることになった事から見込み通りに進展している。また、当初の見込みではメカニズムにおける力学的な要素は、角度に関するオーダーパラメータの分岐現象だと予想していたが、実際には摂動に対する応答性の性質変化という結果が得られており、自発運動の多様化がこれまであまり例の無い性質の現出であるという予想外の知見を得る事が出来た。一方で、本研究が目指している「生き物らしいうごき」の創発の一環として、単純な微生物の遊泳運動についても研究成果を公表する事もできた。よって、研究計画の進捗としては目標通り順調に、成果としては目標以上に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
単体液滴での運動モードの変化については概ね明らかにする事ができたので、次年度では単体液滴で明らかになった知見を活かし、多数液滴の集団運動や協調的な運動の創出や制御を行い、特徴的な集団運動を取り出すことを目指す。液滴-液滴間の相互作用の測定の実験、液滴と壁との相互作用測定などの特定境界条件での実験なども行う事で、複数のアクティブ液滴で構成されるアクティブクラスターの作成やその対称性と集団運動のメカニズムの解明を行う。
|
Report
(2 results)
Research Products
(16 results)