揚・抗力型ハイブリッドによる高出力・高稼働率垂直軸風車のフィージビリティスタディ
Project/Area Number |
21K03887
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
谷野 忠和 久留米工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (70352367)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 自然エネルギー / 風力エネルギー / 垂直軸風車 / 中・小規模風力発電 |
Outline of Research at the Start |
高出力,高稼働率の垂直軸風車の開発を目的に,揚力型垂直軸風車と抗力型クロスフロー風車とをそれぞれ相反転させて組み合わせた揚・抗力型ハイブリッド垂直軸風車の実用化の可能性を検討する.研究計画(主な実施項目)の概要は以下の通り. ・揚・抗力型双方の羽根車を同軸上に相反転させた状態で,任意の回転数で制御し,トルク計測が可能な出力性能試験装置を設計・製作し,ハイブリッド風車の出力特性を把握する. ・両羽根車がそれぞれ任意の回転数で作動する状態での流れ場および出力性能との関係を数値解析により把握する. ・揚力型羽根車内にクロスフロー風車羽根車を配置した状態で揚力型風車の起動風速を風洞実験により把握する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題は,同軸上に2つの異なる作動原理の羽根車,それぞれ外側に揚力型羽根車,内側に抗力型羽根車を互いに反転させて組み合わせるハイブリッド垂直軸風車を提案し,その可能性について,実験および数値解析による検討を行うものである。 3年目の実施計画の1つは,これまでに明らかになった課題である,ハイブリッド垂直軸風車の小規模実験での精度改善である。すなわち,外側・内側の2つの羽根車が互いに反転して作動するため,軸周りの構造が複雑となるにも関わらず,供試模型(直径約170mm)は小さいため,出力性能試験の測定データにばらつきがあった。その改善のため,供試風車の2つ羽根車それぞれの軸を同軸上で相互に支持し合う軸系のさらなる改善,加えて,供試風車のスケールアップも検討し,その効果を調べた。特に,これまでの課題として外側・内側の各羽根車の出力性能を評価する実験において,外側可変・内側固定回転数の場合と,逆の内側可変・外側固定回転数の場合とでみられた,各羽根車の出力係数値のずれは,直径を1.25倍にスケールアップし軸系も改善した供試風車を用いたところ,その食い違いは明らかに改善され,適切に両羽根車の性能を評価できるようになった。 もう1つの計画は,出力性能と流れ場との関係の把握である。そのために,これまで供試風車の2次元モデルによる数値解析を行ったが,外側揚力型羽根車の出力性能は実験と異なっていた。この定量的評価の改善を検討したがまだ不十分な状況である。そこで,これに代わる新たな検討として,煙線による可視化実験を計画した。そのための供試ハイブリッド垂直軸風車および煙線発生装置等を検討・製作し,想定より早く供試風車の可視化実験まで実施できた。可視化実験により,内側羽根車の有無それぞれの外側羽根車周辺の流れが捉えられ,本ハイブリッド垂直軸風車の流れと性能との関係を考察できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験的検討において,申請時に困難を想定した点は,外側に揚力型風車羽根車,内側に抗力型風車羽根車を組み合わせた供試風車の製作である。これら2つの羽根車の回転軸は同軸線上にあり,各々が独立した異なる回転数で互いに反転して作動する構造である。そのため,供試風車の羽根車内には2つの回転軸があり羽根車両端から突出する回転軸はそれぞれ異なる。一方は外側羽根車のみ,もう一方は内側羽根車のみに接続される。したがって,各羽根車の一端は自身を回転させる軸に,もう一端は軸受けを介して他方の羽根車の回転軸に支持される。1,2年目で3Dプリンタの活用により供試風車は計画よりも早く製作できたが,小規模実験故に出力性能試験の再現性・精度が課題となり,3年目は供試風車の改良,さらにスケールアップの検討を行った。実績概要にも述べた通り,特にスケールアップにより出力性能試験の精度の問題が解決でき,ハイブリッド垂直軸風車を構成する外側羽根車,内側羽根車のより適切な性能評価ができるようになった。 一方の申請時に計画した風車性能と流れ場との関係の把握を目的とした数値解析については,特に外側揚力型羽根車の性能が,定性的な傾向は把握できるが,定量的には実験結果との差が明らかであり,解析手法など継続的な検討を行ったが十分な結果に至っていない。そのため,残り期間は限られるが,煙線による可視化実験での流れ場把握を計画した。煙線可視化装置および可視化用供試風車はゼロからの製作であったが,くし形ノズルなども3Dプリンタを活用し,想定より短期間で製作できた。年内には可視化実験も行える状況を整え,ハイブリッド垂直軸風車の外側羽根車周りの流れを対象に,内側羽根車の有無の違いを比較する流れ場撮影実験まで実施でき,当初の数値解析による流れ場把握に代わる結果が得られた。以上の進捗状況から,研究全体としてはおおむね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目までに,新たに提案する外側に揚力型直線翼風車,内側に抗力型クロスフロー風車を同軸上に互いに反転させて組み合わせて利用する揚・抗力型ハイブリッド垂直軸風車について,3年間で供試風車および出力性能試験装置の製作,出力性能実験による性能評価までを実施することができた。ただし,進捗状況にも述べた通り,流れ場の把握については,数値解析による流れ場解析を計画していたが定量的な評価の点で十分な結果に至らなかったため,3年目に煙線流脈法による流れ場の可視化実験に計画を変更した。可視化実験による流れ場の把握についても,煙線可視化装置および供試風車模型の製作,さらには,可視化実験まで実施することができた。 ただし,本申請研究は,3年間で以上の結果を纏め,総括する研究計画であったが,上述の通り,流れ場の把握のための計画変更などにより最後の纏め,総括に遅れが生じている。すなわち,現在までの成果として,提案する揚・抗力型ハイブリッド垂直軸風車について,出力性能試験および起動特性試験による風車性能と,煙線可視化実験による流れ場それぞれの結果は得られたが,性能と流れ場との関係について考察し,本ハイブリッド垂直軸風車の実現可能性を考察・評価ができていない。したがって,延長した4年目は,これまでに得られたハイブリッド垂直軸風車の性能と流れ場との関係の考察とともに,本風車の実現可能性についても考察し,最終成果として研究結果を纏め,総括する計画である。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)