機械力学的視点で連続体を伝播する波動に着目した振動・騒音制御
Project/Area Number |
21K03956
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山田 啓介 関西大学, システム理工学部, 教授 (80456798)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 波動 / 能動制御 / 騒音制御 / 進行波 / コムフィルタ / 振動制御 / 音波 / 曲げ波 |
Outline of Research at the Start |
機械の軽量化や,内燃機関のモータへの置きかえ等により,振動や騒音に対する要求はさらに厳しくなっている.従来の振動・騒音の制御では共振や共鳴を抑える発想で対策されることが多かったが,この延長では振動・騒音低減のブレイクスルーは困難であると考えられる.共振や共鳴は定在波が増幅することに他ならないが,本研究では定在波が生じる前の進行波に着目し,機械力学的な立ち位置で波動の干渉により振動や騒音を相殺する新しい方法を提案する.そもそも定在波が生じない状態を目指すことにより,従来よりも大きな振動・騒音低減効果が得られる可能性がある.
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Outline of Annual Research Achievements |
フィードバック型コムフィルタを用いた一方向進行波による波動相殺の広帯域化 一次元音場と見なせる音響管内を伝播する騒音を制御音で相殺し,開口端から外部に放射される騒音を低減する方法として能動騒音制御がある.能動騒音制御では一般に,参照マイクロホン,誤差マイクロホン,制御器,制御用スピーカが用いられる.能動騒音制御には種々の方法が存在するが,本研究では誤差マイクロホンは使用せず,二つの参照マイクロホンと二つの制御用スピーカを用いることで,制御音として前進波のみを発生させる方法の研究を進めている.この方法では,特定の周波数では騒音を完全に相殺することができるが,その周波数から外れると原理的に騒音を完全には相殺できない問題がある.そこで,騒音を大きく相殺できる周波数の範囲を広げるために,まずは理想フィルタの伝達関数を導出した.その上で,その理想フィルタと伝達関数が近くなるように,二次のノッチフィルタを調整する方法を提案したが,効果は十分では無かった.そこで,研究協力者がより理想フィルタと特性が近くなるフィルタを調査したところ,フィードバック型コムフィルタの伝達関数が理想フィルタと完全に等しくなり得ることを発見した.しかし,理想フィルタと一致する条件はフィルタの安定限界であることも分かった.フィードバック型コムフィルタを安定な範囲で使用する前提で,かつ,制御用スピーカの出力が大きくなりすぎない条件を考え,シミュレーションと実験を通して,フィードバック型コムフィルタも有力な選択肢となり得ることを実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は研究計画に入っていなかった新しい方法を計画に追加して研究を推進している状況であることと,本研究のシミュレーションの基礎になっている部分構造除去法についても完成度を高めつつあることを考慮すると,当初の予定よりも規模を拡大して研究を推進できていると言えるが,研究代表者が2022年9月下旬より学内の学術研究員の制度を利用してオーストラリアのシドニーで研究を推進している都合もあり,学外での成果発表は十分には行えていない状況のため,全体としてはおおむね順調に進展していると判断した. 2022年度には,研究協力者(大学院生)がフィードバック型コムフィルタを用いた手法の発表を第23回システムインテグレーション部門講演会にて行った.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は大学院生3名と研究代表者の4名で複数の研究課題を並行して推進する計画である.研究協力者の大学院生に関しては,成果が学会で発表できる状態になった時点で参加申し込みをさせて,積極的に学外に成果を発表していく予定である.研究代表者は前述のようにシドニー滞在中で,帰国は2023年の9月の予定であるので,査読付き論文集に論文を投稿することを優先する予定である.研究協力者は一次元音場とはりの曲げ振動を対象とした騒音・振動の低減につながる波動相殺の研究を推進し,研究代表者はこれらの研究のシミュレーションの基礎となる部分構造除去法の完成を担当する.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)