Project/Area Number |
21K03959
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
若生 潤一 都城工業高等専門学校, 一般科目理科, 教授 (50353355)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 粉粒体ダンパ / 離散要素法シミュレーション / 1粒子モデル / 気体分子運動論 / 離散要素法 / 非平衡統計物理学 / 流体方程式 |
Outline of Research at the Start |
粉粒体ダンパは容器とそれに封入された粉粒体により構成され、容器が加振された際に、粉粒体粒子間等の非弾性衝突による力学的エネルギーの散逸を利用して、容器の振動を抑制する装置である。現在広く用いられている粘性流体や粘弾性体を用いたダンパに比べ、粉粒体ダンパは低温・高温、高圧・低圧等の厳しい環境やメンテナンスが難しい環境における活用が可能である。 本研究では、粉粒体ダンパ中の加振された粉粒体の状態遷移を、離散要素法を用いた数値シミュレーションおよび非平衡統計物理学の理論的手法を用いて調べ、粉粒体ダンパが最も効率良く動作するパラメータの組み合わせと、それに関する物理を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、重力下および無重力下において加振された粉粒体ダンパ中の粉粒体の状態遷移についての統一的な理解を得るために、離散要素法を用いた数値シミュレーションを実施する。既に3次元の大規模シミュレーションを行うためのプログラムは完成しており、テストを終えている。現在本研究の主題である粉粒体の状態遷移についての、粒子半径、反発係数、加振の振幅、振動数等のパラメータを広範囲に変えた大規模シミュレーションを実施している。また、粉粒体ダンパ内の粉粒体粒子の運動の様子を3次元の動画として可視化するプログラムも作成した。これまでに既に大規模シミュレーションを実施するための計算サーバーを購入し、ハード・ソフト両面における計算環境を整え、安定的に運用することができている。 同時に、より理論的な取り扱いが簡単な無重力下の粉粒体ダンパの状態遷移について理論研究を行っている。加振の振幅が小さいときの粉粒体が高密度の層をつくる状態について、1粒子モデルに基づいて、粉粒体ダンパの周波数応答に関する理論的解析を行っている。理論の予測と数値シミュレーションの結果を比較し、モデルの有効性を検証している。また、加振の振幅を大きくしていったときに現れる粉粒体が容器全体に広がった気体的状態についても、粉粒体からなる気体の弾性体としての特徴を考慮したモデルを構築し、粉粒体ダンパの周波数応答に関する理論的解析を行っている。こちらについても理論と数値シミュレーションの結果を比較し、モデルの有効性を検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究室のある建物の改修に伴う研究室の引越しや担当している校務の想定外の負担により、研究の進展にやや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、より理論的な取り扱いが簡単な無重力下の粉粒体ダンパの状態遷移についての研究をまとめる。加振の振幅が小さいときの粉粒体が高密度の層をつくる状態について、現在行っている1粒子モデルに基づく理論的解析の結果と数値シミュレーションの結果を比較し、1粒子モデルの有効性を検証する。加振の振幅を大きくしていったときに現れる粉粒体が容器全体に広がった気体的状態についても、粉粒体からなる気体の弾性体としての特徴を考慮したモデルを構築し、理論と数値シミュレーションの結果を比較し、モデルの有効性を検証する。 次に、重力下の粉粒体ダンパの状態遷移についても、無重力下の場合に用いた理論モデルを用いてダンパの周波数応答の理論的解析を行う。加振の振幅を大きくしていったときに起こる粉体層が底面近傍で弾んでいる状態から、高密度層が低密度層の上に乗っている密度反転状態への遷移を、各種パラメータを広範囲に変えたシミュレーションにより調べる。理論の解析と大規模数値シミュレーションの結果を総合し、遷移を特徴づける制御パラメータを明らかにする。 最終的に、無重力下、重力下での加振された粉粒体の状態遷移の研究成果を統合し、重力の有無に関わらず、粉粒体ダンパが加振された時の粉粒体の振る舞いを統一的に理解する。
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