統計計算科学によるミリ波帯無線システム安全性の国際標準化
Project/Area Number |
21K04000
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小寺 紗千子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40874219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335374)
増田 宏 久留米大学, 医学部, 助教 (10321861)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 生体電磁 / 人体ばく露 / 国際標準化 / 温度上昇 / 温熱生理応答 |
Outline of Research at the Start |
今後利用が拡大するミリ波帯電波に対する人体の安全性について関心が高まっている。電波防護に関する国際ガイドラインでは、ミリ波帯における科学的根拠が未だ不足していることから、さらなる知見の取得が求められている。 本研究では、独自に開発してきた複合物理・温熱生理応答統合計算法を、動物実験データとの融合により高精度化、さらに複数モデル、複数条件により計算結果を蓄積、統計的に処理することで、国際ガイドラインで問題提起されている個々人や環境因子における変動を定量化・可視化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに開発した、機械学習による頭部のMR画像から熱パラメータを推定可能とする手法を用いて、電磁界・熱の各パラメータにおける非セグメンテーションモデルを構築した。非セグメンテーションモデルとは、従来手法のようにMR画像から対応する生体組織にセグメンテーションを行わず、直接、深層学習を用いて熱パラメータを推定する手法である。この提案手法により、水分含有量の違いなどによって個々人間で異なる熱パラメータを考慮した電波の安全性評価が可能となる。 この非セグメンテーションモデルを用いた解析の有効性を確認するために、ダイポールアンテナからの放射時における局所SAR、温度上昇について、従来のセグメンテーションモデルと開発した非セグメンテーションモデルに対しそれぞれ解析を行い、両者の結果について比較した。その結果、局所SARは10%以内の誤差で一致、最大温度上昇は、5%以内の誤差で一致し、開発した手法の有効性について示した。 また、モデル間のばらつきについて評価するために、変動係数を導出した。その結果、変動係数は、非セグメンテーションモデルにおいてやや小さくなる結果となり、また局所SARのモデル間のばらつきよりも温度上昇のばらつきのほうが小さくなることを示した。さらに、SAR分布、温度上昇分布についても、両者の傾向はおおむね一致したが、非セグメンテーションモデルでは、組織境界における電気的パラメータ、熱的パラメータが滑らかに変化するため、組織境界面におけるSAR分布、温度上昇分布が改善された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構築した頭部モデルを複数体用いることにより、提案手法の有効性についてより客観的指標を用いて評価を行った。また、複数頭部モデルを用いた波源選定についても、複数のばく露条件において複合物理解析を行い、実際の電波の生体影響の因子となる体温上昇を指標に、統計的処理を加えながら評価を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
対象となるアンテナ種類を増やし、提案手法の有効性について評価を行うとともに、アンテナ形状、周波数、アンテナーモデル間距離など、さらにばく露条件を選定して複合ばく露解析を行い、データベースを拡充、統計的処理により電波ばく露における温度上昇に影響を与える複数因子の評価を行っていく。特に、近年6GHz以上の基本制限値として新たに導入された吸収電力密度についても評価対象として検討していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)