光学式磁界センサとゴーストイメージングを用いた三次元磁界分布情報の取得
Project/Area Number |
21K04082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
田上 周路 高知工科大学, システム工学群, 准教授 (80420503)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 交流磁界分布 / 光学式磁界センサ / ミラーアレイデバイス / ロックインアンプ / 圧縮センシング / ゴーストイメージング / 磁気ナノ粒子 / 磁界分布 / 3次元情報 / 誘導コイル / 電磁誘導 / 信号源推定 / 磁界センサ / 三次元計測 / 光ポンピング / アルカリ金属 |
Outline of Research at the Start |
電磁界の空間的評価は,電子機器から発生する電磁ノイズ源の同定や生体内に存在する信号源の位置検出といった産業・医療分野に幅広く利用される.しかし,電磁界センサの多くはセンサ部分に金属配線を使用するため,測定対象磁界の歪みや減衰が生じる. 本研究では,交流磁界の三次元分布を光学式磁界センサによって非侵襲に取得する.磁界の三次元分布情報を得る新規手法として,測定用レーザをセンサ内部において直交するように2方向から照射し,それぞれの照射光に単一画素計測の手法を適用する.単一画素計測にはゴーストイメージングの手法を用いることで,それぞれのレーザ光によって得られた信号から三次元磁界分布情報の取得に取り組む.
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Outline of Annual Research Achievements |
磁気ナノ粒子集合体からの信号検出と位置推定について、光学式磁界センサを用いた新たな測定手法の実証を行った。磁気応答信号はロックインアンプの位相検波機能を利用して測定し、励起磁界信号を参照信号とすることで、直交信号成分を粒子からの磁界信号として検出できる。また、センサの感度が良いことから、従来よりも大幅に微弱な励起磁界を印加し、その磁気応答の検出を試みた。磁気ナノ粒子としてレゾビストを使用し、異なる濃度による信号強度の変化を測定した。検証実験の結果、微粒子濃度に対して線形な信号を取得することができた。 一方で、微粒子からの磁気応答信号が微弱であるため、信号対雑音比の良好な磁界分布の画像を取得することは困難であった。そこで、励起磁界の周波数を変化させることで信号対雑音比の改善に取り組み、磁界分布画像の改善を確認した。 また、ミラーアレイデバイスを用いた画像取得において、測定時間の改善を検討した。シングルピクセルイメージングにおける圧縮センシングについて検討を行い、ランダムパターンを照明するゴーストイメージングにおいて、これまでは取得する画素数以上の測定回数が必要であったが、概ね測定回数の大幅な低減が可能であるとの結果がシミュレーション結果で得られた。また、取得画像の種類やノイズレベルによって画像取得できる測定回数が変化することも確認できたため、磁界分布画像に最適な画像取得技術について引き続き検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光学式磁界センサの構築を行い、金属線の交流電流から生じる交流磁界の磁界分布画像を取得し、その画像を用いて信号源(金属線)の位置推定の高精度化は既に実証できている。現在、構築したセンサを用いて、磁気ナノ粒子からの磁気応答信号の取得に取り組んでいる。粒子の磁気応答は、粒子の磁化作用における緩和機構に起因する位相遅れとして考え、印加磁界からの位相ズレとして測定を行い、測定に成功した。本手法は従来の磁気飽和を利用する手法と比較すると印加磁界強度が5桁以上も低いため、測定システムの簡便さや粒子の発熱を考慮しなくて良いなどの利点がある。また、本手法は光を用いた高感度な磁界センサによってのみ実現される。しかし、信号磁界の分布画像はノイズの重畳が多いため、信号源推定にまでは至らなかった。そこで励起磁界の周波数を少し上昇させることでノイズレベルの低下が確認できた。さらに、信号源としての磁気ナノ粒子集合体のサイズも小さくし、得られた磁界分布画像からの位置検出を実施している。集合体サイズを小さくすることで信号源位置の推定精度を評価できる一方で、信号レベルは低下してしまうため、取得画像の精度を保ちながら測定できる集合体サイズについて現在検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
磁気ナノ粒子の新たな検出手法ついて引き続き検証を行う。具体的には励起磁界の周波数や強度、信号源となる粒子集合体のサイズや濃度に対して測定限界を示す。 現在平行して構築している測定システムを構築し、三次元分布情報の取得を実証する。 磁気ナノ粒子の分散媒質の粘度を変化させて緩和時間をコントロールし、実際の粒子の状況(腫瘍に吸着状態)での測定について検証を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)