メタボロミクスを用いたナノ秒パルス電界による生体代謝制御技術の開発
Project/Area Number |
21K04116
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21040:Control and system engineering-related
|
Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
越村 匡博 佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (80610310)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 隆志 佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20270382)
猪原 武士 佐世保工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (30634050)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | メタボローム解析 / RNA-Seq / ナノ秒高電界パルス / 膜損傷 / エタノール生成量 / ナノ秒パルス電界 / エレクトロポレーション / 生菌数 / メタボロミクス / 生体代謝制御 |
Outline of Research at the Start |
ナノ秒パルス電界(nsPEF)は非加熱的に細胞内の状態を変化させる事ができるため,近年ではがん治療や微生物滅菌といった医療,生物学,農学的な応用が期待されている。しかし,生体との相互作用は未解明な部分が多く,特に生体内化学反応(代謝)に対する作用メカニズムの解明が急務となっている。 網羅的遺伝子発現(トランスクリプトーム)解析と代謝物質の網羅的解析(メタボロミクス)を用いて,nsPEFが微生物の生体内化学反応(代謝)に及ぼす作用メカニズムを解明し,代謝制御への実用性を検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度はナノ秒高電界パルス(nsPEF)の印加と出芽酵母の代謝および遺伝子発現へ与える影響を明らかにするために,メタボローム解析(代謝物質解析)およびRNAシークエンス(RNA-Seq)解析を行った。メタボローム解析については電界強度0, 5, 10, 15, 20 kV/cmの条件でnsPEFを印加した菌体を一定時間培養した後,菌体より代謝物質を抽出し,ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)で代謝物質の一斉分析を行った。その結果,コントロール群(0 kV/cm)と処理群(5, 10, 15, 20 kV/cm)の間で群間に違いがあることが明らかとなった。各代謝物質の量的変化については多くの物質で生じており,クエン酸回路の代謝物質であるコハク酸とマレイン酸についても変化していた。これらの結果よりnsPEF印加によって生体内の代謝応答が生じていることが明らかとなった。様々な代謝物質が変化していることから,代謝応答については特定の代謝経路が変化するのではなく複数の経路で変化が生じることが示唆された。RNA-Seq解析については電界強度0 kV/cmと20 kV/cmの条件でnsPEFを印加した菌体について実施した。その結果,コントロール群(0 kV/cm)と処理群(20 kV/cm)の間で群間に違いがあることが明らかとなった。また,遺伝子の発現量変化については,処理群において酸化還元に関わる遺伝子の発現量が増加し,エネルギー代謝に関わる遺伝子の発現量は減少していた。これらの結果より,nsPEF印加が遺伝子発現に影響を及ぼし,その結果として代謝物質が変化することが分かった。これによりnsPEFの印加条件を詳細に検討することによって代謝物質を選択的に生産する技術を確立することが期待される。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)