Project/Area Number |
21K04155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21050:Electric and electronic materials-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
道岡 千城 京都大学, 理学研究科, 助教 (70378595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 浩明 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10373276)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 強磁性材料 / ソフトフェライト / 核磁気共鳴 / 軟磁性材料 / フェライト |
Outline of Research at the Start |
フェライト材料は比較的安価であり,その組成に従い様々な機能を発現することから1世紀にわたり活用されてきた.新たな材料開発のためにも,それぞれの物質の組成,構造,磁性について相補的に正しく理解されているべきであるが,カチオン,酸素の欠損やカチオン間のサイト置換の為,統一的な理解をすることが困難になっている. 本申請ではNMRを用いた微視的な研究から,軟磁性体Mn系ソフトフェライトを中心とした化合物群を代表させて,構造,磁性の微視的解明を行う.その際に強磁性物質のNMRに関する課題の解決に向けた手法開発を行い,他の系への応用,および正しい物質同定をベースとした材料開発への還元を試みる.
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Outline of Annual Research Achievements |
フェライト材料は新たな開発のためにも,それぞれの物質の組成,構造,磁性について相補的に正しく理解されているべきであるが,カチオン,酸素の欠損やカチオン間のサイト置換の為,統一的な理解をすることが困難になっている.本研究ではNMRを用いた微視的な研究から,強磁性体のNMR研究としてもっとも多くの課題を残す軟磁性体について,Mn系ソフトフェライトを中心とした化合物群を代表させて,構造,磁性の微視的解明を行っている.特に強磁性物質のNMRに関する課題を明らかにし,その解決に向けた手法開発を行い,それらの手法による他の系への応用,および正しい物質同定をベースとした材料開発への還元を試みることを目的としている. これまで軟磁性体である焼結体試料のMnFe2O4の55Mn核,57Fe核におけるゼロ磁場NMR及び,57Fe核の磁場中NMRを行った.そのためのNMR信号を高速積算するための装置開発,高周波数領域においてNMR信号を観測するための装置開発,また磁壁と磁区の信号を正しく分離するための実験条件の確立を目指している.またこれらのNMR測定の結果と巨視的磁化の比較研究を行い,通常正スピネルだと考えられているマンガン鉄フェライトのAサイト,Bサイトの置換状況を考察し,巨視的磁化を作り出す微視的物性の研究を行った.また巨視的な異方性について研究を行うため,化学輸送法,フラックス法,溶媒輸送型フローティングゾーン(TS-FZ)法における単結晶育成に取り組んでいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までで,MnFe2O4の55Mn核,57Fe核におけるゼロ磁場NMR測定のノウハウを蓄積し,今年度は実験データの解析法の確率に取り組んだ.これらからMnFe2O4のAサイト,Bサイト占有率,またその置換系についてもサイト占有について有益な情報が得られた.しかしながら半導体不足のためNMRスペクトロメータの適切な改造を行えなかったことから課題研究を延長し,NMRにおいて高周波帯の測定が可能なように装置改善を行い,強磁性状態の55Mn核のNMRを行いたい. また巨視的な磁化を研究して,通常は磁気異方性が小さいと考えられているソフトフェライトにおいて,磁化の磁場依存性における線形はわずかながらの異方性に起因し,またそのことが材料の性質を大きく変えることを見出した.さらに今年度はフローティングゾーン炉を用いて大型の単結晶の育成に成功している.
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況に示した通り,NMRスペクトロメータの改良を行い,高周波領域におけるMN核の強磁性NMRを観測する.フローティングゾーン炉を用いて大型の単結晶により磁場をいろいろな角度から印加し,NMRを測定することによって微視的な異方性を観測する.さらに異なる条件からFe,Mnのサイト置換の状況が異なる単結晶を育成し,NMR測定を行うことで何が巨視的な物性を支配しているのか微視的視点から明らかにする. これらを総括し,国際学会,粉末粉体冶金協会の年次会で公表する.
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