パワー半導体デバイスダイアタッチ接合部の疲労き裂ネットワーク破壊寿命予測法の確立
Project/Area Number |
21K04182
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
苅谷 義治 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (60354130)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | ダイアタッチ / パワーサイクル / パワーモジュール / 熱疲労 / 熱疲労破壊 / 等2軸応力 / パワー半導体デバイス / 疲労 |
Outline of Research at the Start |
パワー半導体デバイスダイアタッチ接合部で生じる新しい疲労破壊である疲労き裂ネットワーク破壊の寿命予測法を構築するため,初年度に申請者独自のSi/ダイアタッチ材/Si接合体を用いた高速温度サイクル試験を実施する.この試験により疲労き裂ネットワーク破壊寿命のサイクル数依存性,また,その寿命の試験条件依存性を確認し,寿命予測方法構築に必要な実験データを揃える.2年目以降では,初年度に得られたデータを基に,拡張体積理論を組み込んだ新たらしい疲労寿命予測の数理モデル作成を行い,最終的にパワー半導体ダイアタッチ接合部の疲労き裂ネットワーク形成の寿命則を提案する.
|
Outline of Annual Research Achievements |
最近,パワー半導体デバイスのパワーサイクル試験において,ダイアタッチ接合部で疲労き裂がネットワーク状に連結する破壊が報告されている.Sn基合金系ダイアタッチにおけるこの破壊に関しては,等2軸応力を駆動力とする破壊機構が解明されつつあるが,近年開発が進むAg粒子焼結接合に関する等2軸応力疲労破壊の研究は皆無である.Ag粒子焼結により接合されたダイアタッチの寿命予測には等2軸応力熱疲労試験による破壊解析が必要である.本研究では,短周期パワーサイクル試験同様の応力負荷を与えるダイアタッチ材料の等2軸応力熱疲労試験方法を提案し,等2軸応力下におけるAgナノ粒子焼結体の熱疲労破壊挙動を調査した. 本研究で提案する等2軸応力熱疲労試験を実施した結果,Agナノ粒子焼結体全域において,パワーサイクルにおける破壊同様,鉛直方向のき裂発生が観察された.この疲労破壊は逆位相型の疲労であり,Agナノ粒子焼結過程において導入された欠陥から降温時における等2軸引張応力を駆動力としてき裂が発生,また,き裂が開口,進展することにより破壊が進行することがわかった.別途実施した単軸機械疲労により得られた疲労き裂進展試験から得れたき裂進展則より導出した平滑剤の疲労き裂発生則と高速温度サイクル試験の寿命を比較したところ,高速温度サイクル試験の寿命は,等2軸応力と欠陥の有害性を考慮すれば,高温域(373K以上)の単軸機械疲労寿命と同等であると解釈される. これらのことから,パワー半導体ダイアタッチにAgナノ粒子焼結接合を適用した場合のパワーサイクル寿命は,単軸の高温側の機械疲労寿命則に2軸度および欠陥の影響を考慮すれば,予測可能となる知見が得られた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で独自に提案する高速温度サイクル試験により,Agナノ粒子焼結体の熱疲労破壊を評価することができること,また,実際のパワー半導体モジュールのパワーサイクルにおける破壊と同様の破壊を得ることが出来ることが確認できたことは,計画どおりであり,研究上,必要な熱疲労試験の多くは今年度に実施することが出来ている.このことから,進捗状況としては,概ね順調に進展しているとした.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに提案する高速温度サイクル試験により,想定するAgナノ粒子焼結体の熱疲労破壊を評価することができることが確認されたので,今度は,有限要素法(FEM)解析を用いてパワー半導体モジュールに実装された状態での寿命予測を行えるように,高速温度サイクルによる疲労破壊を再現するFEM解析を中心に研究を進めて,疲労寿命式の構築を試みる.さらに,この寿命式を構築する上で,必要となる追加の高速温度サイクル試験を実施する.
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)