Improvement on bond and anchorage properties of carbon fiber plastic rods in prestressed concrete structures
Project/Area Number |
21K04219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22010:Civil engineering material, execution and construction management-related
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 泰司 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40377221)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | FRP / プレストレストコンクリート / 付着 / 定着 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、炭素繊維によるプレストレストコンクリート(PC)部材に必要となる設計・製造方法を開発することを目的とする。その実現には3つの課題が存在する。1つ目はCFRPとコンクリートとの付着・定着が不足することであり、本研究では付着が確保できる表面処理方法の開発によって解決をはかる。2つ目は定着作業に時間を要することであり、プラスチック等を活用した機械式定着システムを開発することでこの課題を解決する。3つ目は施工時および供用時の安全性の確保であり、日々進化する材料の特性を迅速に把握できる試験方法とのセットで安全性と施工合理性が確保できる設計手法を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
耐腐食性に優れる熱可塑性FRPロッドをプレストレストコンクリート部材の緊張材として使用するために,くさび式定着具を耐腐食性の高いプラスチック素材で製作し,定着力を実験した。3DCADによる設計と3Dプリンタによる製作によりトライ&エラー型の改善を行った。種々の検討の結果,プラスチック材とFRP材との摩擦抵抗力はそのままでは小さいので,珪砂をFRP材表面にあらかじめ接着しておくことで定着力が大幅に向上できることが確認された。珪砂のサイズは5号が最適であること,くさびの長さにほぼ比例して定着力が大きくなること,スペーサーを挿入して定着具を連結することにより定着具の数量に比例した定着力が得られることが確認された。最終的にはφ12.4-7本より線のCFRPロッドに対して,定着具を4個連結することによって約70kNの定着力を得ることができた。また目標値とした100kNの定着力を得るためには6個連結が必要であると推察された。 熱可塑性FRPロッドを異形鉄筋の代替として使用するために,定着長を評価するための引抜き試験を行った。FRPロッドとしてはφ4.5のものを使用し,D13,D16鉄筋と同等の引張強度を得るために4本束または6本束でコンクリート中に配置した。実験の結果より,ロッドどうしの位置関係が定着長に大きな影響を与えることが明らかとなった。4本束として中央に隙間が残る配置の場合には,定着長が1360mmとなったのに対し,6本束として心線を設けて隙間が生じないように配置した場合には定着長が900mmと短くなった。ただし,いずれの場合においても,既存のD13鉄筋に比べてはるかに大きな定着長が必要であり,改善が必要であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
FRPロッドをPC構造の緊張材に使用するために必要となる定着具に関して,3Dプリンタによるハイサイクルな設計改善は,当初計画通りに実行できた。試作した定着具の引抜き試験結果は,最終的には最初の定着具の結果の100倍以上の値を得ることができた。付着-すべり関係が弾塑性的な挙動を呈することから,くさび式定着具を直列に連結するというアイデアを着想し,その効果が実証できた点では,当初想定した以上の成果を得ることができた。一方で,プラスチック製定着具の弾性係数が小さすぎるためか,単位長さあたりの付着強度はあまり大きくすることができなかった。その結果,目標とする定着力を得るためには,既存のものに比べてはるかに大きな定着具が必要となった。また,定着力を発揮するためには大きなすべりが必要となり,その分だけプレストレス力がロスすることから,実用面でも問題である。付着強度と剛性を上げて,定着システムを小型化する必要がある。このような当初想定していなかった問題が生じたために,進捗としてはやや遅れていると自己評価した。 熱可塑性FRPロッドの異形鉄筋の代替使用に関して,定着長を評価する試験と分析は,当初計画通りに順調に進めることができた。ただし,実験で判明した定着長は同じ引張力を負担できる一般の異形鉄筋に比べて3~5倍となった。定着長が大きくなると,その分だけコンクリート構造物の大きさを大きくする必要があり,製造コスト等に影響する。そのため,FRPの定着力を増加させるための工夫や改善を行うことが必要である。このような新たな課題に取り組む必要が生じたために,この点に関しても進捗としてはやや遅れていると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
FRPロッドに緊張力を与えるための定着具の開発に関しては,当初の方針を変更し,非腐食性の金属の使用も視野に入れる。定着具の弾性係数と定着力-すべり関係についての基礎的な実験を行い,金属-FRPロッド境界での付着強度を求める。この実験結果に基づいてスペーサーを介した連結システムを試作し,システム全体での定着力とPC構造の設計に必要なセットロスを実験により評価する。このような研究推進方法の改善により,最終的には,当初目標を達成する。 熱可塑性FRPロッドの異形鉄筋代替使用に関しては,端部定着力を強化するための工夫を数種類準備して,効果確認試験を行う。珪砂を表面に接着して付着力を向上させる方法に加えて,熱可塑性という特徴を活かして曲げ加工を施す,PC用に開発している定着具をRC用に準用する,などが具体の方策として挙げられる。このような研究推進方法の改善により,最終的には,当初目標を達成する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)