流木堆積による橋脚周りの大規模局所洗堀を予測する数値解析モデルの構築
Project/Area Number |
21K04284
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22040:Hydroengineering-related
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
長田 健吾 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 准教授 (30439559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 義彦 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (70178995)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 水工水理学 / 河川工学 / 流木災害 / 河床洗堀 / 数値解析 / 流木 / 洪水 / 防災減災 |
Outline of Research at the Start |
橋脚に流木が堆積することで,橋脚周りでは大規模な局所洗堀が生じ,橋梁の沈下や倒壊などの要因となる.この流木堆積による洗堀の危険性は従来から認知され,これを予測する数値解析モデルの構築は極めて重要な課題であるが,流れ・流木・流砂の相互作用を説明するモデルは,現象の複雑さと計算負荷の大きさから,これまで扱われていなかった. 本研究では,長田らの構築した3次元流木解析モデル(流れと流木の相互作用を考慮)に流砂モデルを組み込み,実験との比較・検証により再現精度を明らかにすることで,流木堆積による大規模局所洗堀を説明する数値解析モデルを確立する.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,昨年度の検討結果を踏まえて,基礎的な実験とそれによる解析モデルの改善・検証を実施した.Schalko博士の実験は,流れ・流木・土砂の3者の動きと相互干渉が関係する洗掘現象が扱われているが,解析モデルの問題点の把握と改善策の検討に向けて,流木挙動を固定化した洗掘実験を実施した.また,解析モデルに組み込む流砂解析モデルは,実河川への将来的な適用を考え,昨年度利用した粒子追跡型の非平衡流砂モデルに替えて,計算負荷の少ない非平衡流砂モデルについて提案・検証を行った. 基礎実験は,0.4m幅の直線水路に珪砂4号を0.1m厚で敷き均し,流木堆積を模擬した横断遮蔽物(網かごの中に流木模型をランダムに投入,流木が占める体積率は40%)を設置した水路を設定した.砂面から横断遮蔽物の底面までの初期高さは0.03mとし,流量は一定値0.008m3/sを供給した.河床洗掘の状況等をビデオカメラで記録するとともに,通水10分後に河道中央の縦断的な水面形と河床形状の測定を行った. 新たな非平衡流砂モデルを組み込んだ解析モデルを上述の基礎実験に適用し,検討した結果,洗堀深は実験値に比べて過小評価となり,流木挙動を固定化した中での洗堀現象も解析モデルで捉えられないことが分かった.流れ場の圧力分布を捉えられていないこと(静水圧近似)が要因と考え,簡易に非静水圧分布を解析する手法を流体解析に組み込むことで,流体解析の改善を図った.この非静水圧を考慮した解析モデルを基礎実験データに適用したところ,解析による洗堀深および最大洗掘位置は実験の状況を再現できることが明らかとなった.流体解析および流砂解析について,実用性を考慮した非静水圧モデルと非平衡流砂モデルをそれぞれ提案し,それらを組み合わせた解析モデルにより河床洗掘現象の再現性が向上することを提示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的な実験の実施は当初計画にはなかったが,基礎的な実験とその検証を通じて,解析モデルの問題点を見出すことができ,有用な実験であったと考えられる.流れの解析に関しては,当初計画していた以上の解析モデルの構築を進めることができ,洗堀深が過小評価される問題の解決に至った.流砂解析についても,当初計画よりも実用面で優れた解析手法を提案することができ,平衡場・非平衡場の両面で能力を有することを実験データへの適用・検証から明らかにすることができた.今年度提案した簡易な非静水圧モデルおよび非平衡流砂モデルは,それぞれの現象を捉えられる中で,計算負荷がほとんど生じないというメリットがあり,実用的に機能する解析モデルであると考えている.以上の理由から,本研究はおおむね順調に進んでいると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度作成した新たな解析モデルを,Schalko博士の実験データに適用し,解析モデルの検証を行う.この検討を通じて,流木の流動を伴う状況での河床洗掘現象に対して説明力を持つ解析モデルの構築を進める.もし,解析モデルに再度問題が見つかれば,解決策を探り,解析モデルの改良を進める.最後に研究成果のとりまとめを行う予定である.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)