Development of novel water treatment process based on algal bloom removal
Project/Area Number |
21K04311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22060:Environmental systems for civil engineering-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
天野 佳正 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (40517976)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | アオコ / ミクロキスティス / 細胞外多糖類 / カチオン / 群体形成 / 浮揚性制御 / 水処理技術 / 光照射 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,浄水処理に支障をきたすミクロキスティス(アオコ)の新規除去手法の開発を目指すものである。ミクロキスティスの細胞密度が低下する暗条件下,細胞外多糖類(Extracellular polysaccharides; EPS)と金属カチオン濃度制御により群体サイズを拡大させ,これによって向上する浮揚性を利用した浮揚除去手法を構築する。さらに,最適なEPS,金属カチオン濃度条件を見出すことで,オーバーフローによる簡便処理でのアオコ除去を実現する。最終的に,さまざまな浄水処理条件に応じた浮揚除去手法を体系化することで,より実用的なアオコ除去に基づいた浄水処理プロセスを創成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究は,浄水処理効率の低下を引き起こすミクロキスティスを主とするアオコの新規除去手法の開発を目的とするものである。 前年度に引き続き,2022年度も富栄養化した湖沼(茨城県千波湖)にて発生したアオコを採取し,群体形成を担う強結合性細胞外多糖類(tightly-bound extracellular polysaccharides; TB-EPS)を単離し,粉末試料として回収した。ミクロキスティスが有する浮揚性を高めるために,明条件および暗条件にて前培養を24 h行い,前培養後のミクロキスティスを用いて浮揚実験を行った。その結果,暗条件で前培養を行ったミクロキスティスの浮揚性は,明条件で前培養を行ったものよりも高い浮揚性を示した。ミクロキスティスの細胞内炭水化物量を測定したところ,暗条件よりも明条件で培養した方が高かったため,細胞内炭水化物量の減少が浮揚性を高めた可能性が示唆された。また,暗条件の下,前培養の時間(48 hおよび96 h)について検討したところ,ミクロキスティスの浮揚性は前培養期間を96 hにした方がより高い浮揚性を示すことが明らかとなった。さらに,培養液にTB-EPSおよびカチオン(Ca(II)およびMg(II))を同時添加した結果,より浮揚性が向上する結果となった。浮揚実験後,ミクロキスティスの群体サイズを計測したところ,TB-EPSおよびカチオン添加系の群体サイズは無添加系(control系)よりも大きいことがわかり,ミクロキスティスの浮揚性向上に群体サイズの拡大が有用であることが見出した。 以上のように,本申請研究はアオコ(ミクロキスティス)の新たな除去手法の開発を行った。今後はさらなるミクロキスティスの浮揚性の向上を目指し,TB-EPS・カチオン添加(濃度や添加比率)条件,前培養条件(光照射強度や時間)について詳細に検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請研究は,ミクロキスティスの有する浮揚性を向上させることで効率的に浮揚除去できる手法の開発を目指したものである。 これまでのところ,ミクロキスティスの浮揚性は暗条件で前培養することで向上し,さらに前培養期間や群体サイズを制御することで更なる浮揚性の向上を見込めることを明らかにした。一方で,本年度はフリーズドライヤーの故障により,TB-EPSの回収量が少なく,浮揚性に影響を及ぼすと考えられる細胞内のタンパク質量の定量には至っていない。また,COVID-19の影響により共同研究先のテネシー工科大学への大学院生の派遣もできなかった。これらの内容について,今後,対応していく予定である。 以上の研究成果は,学術論文(国際誌3報)や国内外の学会発表(6件)を通じ広く社会に情報発信した。これらの研究成果から,本研究の達成度は一定以上ののレベルに達していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き,主に(1) TB-EPSの成分分析,および(2) ミクロキスティスの浮揚性制御,を検討する。(1)については,ミクロキスティスの浮揚性に影響を及ぼすと考えられる細胞内タンパク質量(バラスト)ならびにTB-EPS中のタンパク質量(カチオンとの相互作用)の定量を重点的に行う。(2) に関しては,これまで通りバッチ系にて種々の実験条件(明暗条件での前培養やTB-EPS・カチオン添加)が浮揚性に及ぼす影響を検討するとともに,実際の浄水場での処理を視野に入れたフロー系での浮揚実験も併せて実施する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(21 results)