人工知能技術を応用した骨組構造物の冗長性設計法に関する研究
Project/Area Number |
21K04339
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
高田 豊文 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (90242932)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 人工知能 / 機械学習 / トラス・トポロジー最適化 / 冗長性 / 深層学習 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,これまで申請者が行ってきたトラス・トポロジー最適化を研究対象として,機械学習の1つである深層学習(Deep Learning)を適用し,AI手法の建築構造設計への有効性を検討する.また,本研究は,進行性崩壊の回避を目的とした建築構造設計を対象としており,数理最適化技術とAI手法を適用して,合理的な構造設計手法を確立することを目指している.したがって本研究は,建築・都市の安全性向上を目指した防災安全工学の研究であると同時に,今後進展すると考えられるAI手法による建築構造設計に関する応用研究の嚆矢的研究として位置づけられる.
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Outline of Annual Research Achievements |
ベンチマーク問題や小規模なトラス・トポロジー最適化問題を対象とした2021年度の研究結果から,一般的な人工ニューラルネットワーク(ANN)では,解の精度や解析時間に関する課題が明らかとなった.そこで2022年度は,2次元トラス・トポロジー最適化問題を対象として,最適トラス・トポロジーの軸力分布(最適解)を機械学習によって効率的に予測する方法について検討するため,3種類のANNのモデルを構築し,それぞれのモデルから得られる最適解の精度や計算効率について比較・検証した.その結果,U-Netと呼ばれる畳み込み深層学習法を用いたモデルが,最も精度よく最適解を予測できることが明らかとなった.U-Netは,ある教師データ群を用いて学習したANNを,未知(未学習)のデータに用いても,反復計算なしで精度の良い最適解の予測が可能な方法であり,本研究が目指す解析手法にも合致する.複数の例題による検証解析の結果,未学習のデータ(荷重条件)に対しても小さな誤差で最適トラス・トポロジーの軸力分布を予測できていることが確認できた.特に,本研究では,教師データを工夫することで,圧縮・引張軸力を区別して予測させ,解の精度を向上させることができた. なお,機械学習では,学習過程で多くの計算が必要となり,一般のCPUをもつPCでは機械学習に非常に時間がかかる.2021年度に導入した,GPU(画像処理装置)とSSDを搭載した大容量の計算機で機械学習の計算環境を構築したことにより,計算効率が格段に向上した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度までは,比較的部材数の少ないトラス・トポロジー最適化問題(部材数が数10程度)しか解析することができなかったが,効率的なANNモデルと機械学習方法が確立できたことと,GPU(画像処理装置)とSSDを搭載した大容量の計算機を導入して機械学習の計算環境を構築したこととによって,現在は,部材数が1000程度のトラス・トポロジー最適化が可能となった.さらに,本研究で導入を試みた深層学習U-Netは,未知(未学習)のデータに用いても精度の良い最適解の予測が可能な方法であり,本研究が目指す解析手法にも合致する.以上の観点から,「おおむね順調に進展」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に構築した深層学習U-Netをさらに改良し,解析対象とする2次元トラス・トポロジー最適化問題の大規模化を目指す.また,3次元トラス・トポロジー最適化問題や部材破断に対して冗長性を有するトラス・トポロジーの生成問題に適用することを試みる.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)