非線形挙動に対するトポロジー最適設計の新展開:統計的推論と加速最適化法を軸として
Project/Area Number |
21K04351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寒野 善博 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (10378812)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 最適設計 / 構造最適化 / 凸最適化 / 加速勾配法 / 双対性 / 信頼性最適設計 / ロバスト最適設計 / データ駆動型計算力学 / トポロジー最適化 / 数理計画 / ロバスト最適化 / データ駆動型手法 |
Outline of Research at the Start |
トポロジー最適化は,構造物の最適設計法の中で最も自由度の高い方法論であり,したがって所望の性能を最大限に引き出す設計法として重要である.しかし,計算コストの観点から,トポロジー最適化では大規模な問題を扱うのは容易ではない.本研究課題では,トポロジー最適化の「解法の二重ループ性」に着目し,データ科学的手法と,最適化法の加速法という大規模最適化手法とを組み合わせることで,大規模な問題の求解を可能にすることを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
構造物の最適設計(構造最適化)は,数理工学における最適化の理論と手法を基盤として,設計における意思決定を合理化および高度化するための方法論である.トポロジー最適化は,構造最適化の中では設計の自由度が最も大きいため,創造的な構造最適化手法として知られている.この研究課題では,トポロジー最適化をはじめとする構造系のさまざまな最適化問題に対して,既往の手法よりも高速な開放を開発することを主な目的としている.その際に,最適化の加速法を1つの指導原理とする.さらに,予測や推論の手法と組み合わせることで,新たな一連の法を開発することを目指している. 今年度は,主に,構造系の非線形挙動の数値シミュレーションに現れる最適化問題の高速解法の開発と,ロバストトポロジー最適化に対する加速法に対して,研究を展開した.また,前年度に開発した,カーネル法に基づく構造物の挙動の推論手法に関して,複数の学会発表を行った. 構造物の非線形挙動として,今年度は,「引張と圧縮で剛性の異なる弾性材料からなる構造物」および「クーロン摩擦を伴う接触問題」の2つを取り上げ,それぞれに対して,射影勾配法および主双対アルゴリズムに基づく新しい解法を提案し,既存手法よりも高速であることを数値実験により示した. ロバスト最適設計法は,構造系におけるさまざまな不確かさの影響を考慮する最適設計法の1つである.この方法では,不確かなパラメータの値の範囲を指定した上で,その範囲の中の最悪値に対して最適化を行う.このような二重の最適化の構造をもつため,ロバストトポロジー最適化は通常のトポロジー最適化よりもある意味で扱いが難しいと言える.この研究課題では,平滑化法とよばれる最適化手法の加速法を開発することで,ロバストトポロジー最適化問題を既存の手法よりも高速に解く手法を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」でも述べたように,ロバストトポロジー最適化問題は,最悪ケースそのものが不確かなパラメータに対するある種の最適化問題として定義されるため,いわば二重の最適化問題の構造をもつ複雑な問題である.その結果の1つとして,目的関数が一般に滑らかではないという難しさをもつ.この研究課題では,このような通常よりも難しいトポロジー最適化問題に対して,理論的な収束保証と実験的な高速性の双方をもつという優れた解法を開発できた.また,クーロン摩擦付き接触問題は,応用力学における基本的な問題の1つであるが,ポテンシャルをもたないなどの固有の性質のために数値的に解くことは必ずしも容易ではない.この研究課題では,このような非常に基礎的な力学の問題に対して,まったく新しい形の数値解法を開発することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
種々の最適設計問題の新たな解法の基盤として,引き続き,構造物の非線形挙動にまつわる最適化問題の効率的な解法の開発を行っていく.また,高度な設計問題として,ロバスト最適設計および信頼性最適設計についても,入力の不確かさを考慮に入れた定式化および解法を開発する.これらを通じて,一連の新しい形の最適設計アルゴリズムの展開の実現を目指す.
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)