高齢者の視覚特性を考慮した空間の明るさ指標提案に関する研究
Project/Area Number |
21K04380
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23020:Architectural environment and building equipment-related
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 未佳 日本大学, 生産工学部, 教授 (00409054)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 空間の明るさ / レンジバイアス / 机上面の輝度分布 / 視的快適性 / 執務空間 / タスク・アンビエント照明 / 若齢者 / 算術平均輝度 / 要求レベル / 知覚レベル / タスク・アンビエント照明方式 / 高齢者 / 机上面照度 / 内装反射率 / 照明手法 / 色温度 |
Outline of Research at the Start |
長らく空間の明るさの研究は、知覚を把握・予測を目的に多く実施されてきたが、高齢者を含む年代による知覚の変化を扱った知見が欠如しており、多様な利用者を想定した空間計画に対応出来ていない。また、要求(どの程度の明るさをその空間・用途に求めるか)は、研究データが大変少なく、設計に使用できる目標値となるモノが整備されていない。本研究は、上記の2点の問題解決を目的として、設計目標値の整備に取り組む。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には、若齢者を対象として空間の明るさの知覚レベルと要求レベルに関する基礎的データを取得した後、2022年度に高齢者を対象として同様の実験を行う予定であったが、空間の印象評価に関する複数の項目(好ましい机上面照度・グレア等)でレンジバイアスの影響が他の研究者より示され、本研究の主たる目的である要求レベルへの影響が懸念されたため、当初の計画とは異なるが、傾向の把握を行うために実験を行った。それによると、空間の明るさの要求レベルは影響を受け、提示範囲の上限が高いほど、適切な空間の明るさと解答する物理量が上昇してしまう傾向が確認された。研究的な興味においては、実際の空間で計画する明るさの範囲よりも広く設定することが多いが、上記を踏まえ、現実に即した範囲での実験を行う事が重要であるとの結論に至った(上記の内容はCIEの国際会議で報告を行った)。そこで、2023年は過剰な照明条件を設定せずに、再度若齢者の基礎的なデータを取得することとした。2021年度ではアンビエントとタスクの対比を変数として行ったが、2023年度は机上面に生じる輝度分布により若齢者と高齢者で差が生じる可能性が高いと考え、その視的快適性への影響も把握する事とした。その際机上面照度は、レンジバイアスを考え、一般的な執務室の規準値である750lxと現実に即した環境設定を行った。実験変数はタスク領域の均一輝度範囲(直径30cm~50cm)とその周辺の輝度減衰の距離(10cm~30cm)である。なお、2023年度は若齢者を対象に実験を行った。その結果、減衰距離は20cm以上の条件かつ、タスク領域直径30cm以上とすることでアンビエント照明のみと同等の視作業性が期待できる事が明らかとなった。この結果を踏まえ、2024年度は高齢者の実験を実施し、比較を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでも報告しているとおり、若齢者と高齢者の空間の明るさの要求レベルと知覚レベルを把握し、比較する計画であったが、初年度にコロナ禍による影響で高齢者のデータが取得できなかったため、計画が大きく遅れている。上記に加え、「研究実績の概要」に記載したとおり、当初の予定には含まれていなかったものの、空間の明るさの要求レベルに提示空間条件によるレンジバイアスの影響を確かめる必要が生じたため実験を実施した。本来の研究課題を達成するために必要な工程ではあるが、計画当初に予定していなかった事柄に対応したことで、進捗状況に遅れを生じているが、新たな知見を得ることが出来たため、その価値はあると思われる。遅れている高齢者のデータ取得に関して、研究期間を延長して、2024年度に行っていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度までの成果を踏まえ、2024年度は高齢者の実験を中心に実施していく予定である。具体的には、タスク照明に対して適切なアンビエント照明の平均輝度の範囲を明らかにするとともに、タスク領域の輝度分布が視的快適性への影響を検討していく予定である。実験提示範囲は、レンジバイアスの影響に配慮し、JISZ9125等を参照し一般的な室内環境の照度範囲に基づくものへと整理し直して実施する予定である。これらの研究成果は国際会議への発表を行うとともに、現在取り組んでいるAIJES-L-0002の改訂に反映させていきたい。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)