「景観まちづくり史」研究の概念構築と体系化に関わる基礎的研究
Project/Area Number |
21K04392
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松井 大輔 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80709816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 彰 大阪大学, サイバーメディアセンター, 特任助教(常勤) (40885464)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 町並み保存 / 景観保全 / 歴史的市街地 / 官民協働 / まちづくり / 景観まちづくり史 / 景観計画 / 都市計画 / 都市保全 / 歴史的環境保全 |
Outline of Research at the Start |
日本の景観保全に関わる取り組みが開始してから50年が経過した。この間、重伝建地区制度や景観法等の法制度が整備され、景観保全に対する市民理解も深化した。一方、経済成長を優先してきた社会事情の中で、実現に至らなかった考え方や制度、活動も多くある。これらの中に、現在または将来の景観保全に対する示唆が含まれるのではないだろうか。 1960年代後半以降の日本の景観保全制度や活動を歴史的視点から捉え、結果としての景観変容を含めた全体像を明らかにする研究が必要と考える。これを「景観まちづくり史」と定義し、主に歴史的景観保全を対象に調査分析を組み合わせて、その概念構築と新たな研究分野としての体系化を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦後の日本各地で展開した景観保全の制度や活動を歴史的な視点から捉え直し、その結果としての景観変容を含めた全体像を「景観まちづくり史」として定義し、その概念構築と新たな研究分野としての体系化を目指すものである。2年目(2022年度)は、目的b「市民による景観保全の契機」と目的c「行政との関係」について重点的に分析したほか、目的a「行政による計画・事業」に関する分析も継続して行った。前者については、新潟市の信濃川沿川地区における高さ規制を中心とした景観形成に関する住民と行政の関係性の変化について詳細に明らかにした。また、熊本市都心部における歴史的景観保全に関わる住民と行政の関係性の変化についても調査する機会を得た。後者については、全国の自治体を対象とした夜間景観に関する規制の導入経緯と特に住宅街における運用実態についての調査・分析を行った。住宅街を対象とする取り組みは少なく、都市課題の一部として住宅街を捉えることが導入・運用につながる契機になり得ることを明らかにした。さらに、文化財保護法に新設された文化財保存活用地域計画と歴史まちづくり法に基づく歴史的風致維持向上計画との関係性についての分析を行った。また、目的d「景観の実態と変容」については、京都市の景観形成に関わる写真のデジタル化を進め、今後の分析の体制を作った。これらの研究成果は、目的e「「景観まちづくり史」研究の概念構築と体系化」を検討するときの材料とする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度も新型コロナウィルスの影響下にあったが、前年度よりも比較的自由に調査を展開することができた。当初計画から対象地としていた新潟市、佐渡市、新宿区、京都市などで調査・分析を深めることができた一方で、熊本市のような新たな対象地での調査もできた。また、2023年度に向けて飛騨市からの調査協力を確保するなど、準備も進められた1年だったと考える。全国的な情報整理についてはやや遅れがあるものの、総合的に判断して「(2)おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、飛騨市における行政と市民の関係変化、及び景観変容について重点的に取り組む予定である。飛騨市の協力を得て、まちづくりの世代交代の過程における行政と住民との関係変化について実態を明らかにする。同時に、多数の古写真にアクセス可能となったため、目的d「景観の実態と変容」についても調査・分析を進めていく。このほか、佐渡市や京都市で目的に沿った調査を進める。また、2023年度は研究計画の最終年度にあたるため、これまでの研究成果を整理しつつ、「景観まちづくり史」の概念構築に向けた議論を研究分担者らと実施する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)