火災時における片まひ者の避難安全を向上する建築計画の研究
Project/Area Number |
21K04447
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
村井 裕樹 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30455563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 英祐 大阪工業大学, 工学部, 教授 (50167011)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 防火戸 / 片まひ / 避難 / 防火 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、片まひ者の火災時の避難安全の実現のため、片まひ者が使用しやすい防火戸の仕様を明らかにし、この仕様を活かす建築計画と防災計画の提案を目的としている。研究方法は、片まひ者を被験者とした防火戸通行実験とアンケート調査である。本研究では、これまでに実施した研究(片まひ者を対象とした防火戸を押し開けて通行する実験と、複数の取手形状で引き開けて通行する実験)で得られた知見をもとに、左右の麻痺差に着目し所要時間や歩行軌跡の特徴および取手形状による開けやすさの差や避難行動上の課題を把握する。そして、片まひ者に必要な防火戸の仕様を提案し、その機能を活かすための建築計画と防災計画の提案を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究テーマでは、片まひ者の防火戸通行時の特性について、麻痺の左右差と防火戸の開く方向(右開き、左開き)、防火戸の開け方(押し開け、引き開け)、取手の種類、の関係を明らかにすることを目的としており、当該年度は必要な実験を行い分析を進めた。その結果、現時点で次のような分析結果が得られた。 (1)戸を引き開けて通行する場合において、麻痺側、蝶番側、取っ手の種類(ケースハンドル、縦スリット、トランクハンドル、縦手すり)の組み合わせで、防火戸通行の時の所要時間の差がある傾向がみられた。具体的には、戸を引き開ける際の「戸が動き始める~被験者の胴体が防火戸の戸枠を通り過ぎた瞬間」(戸を開けて歩行する行為のため、最も左右麻痺差や蝶番の左右差が出やすいと推測される)をみると、右蝶番のほうが所要時間が短くなる麻痺側と、左蝶番のほうが所要時間が短くなる麻痺側が、取手の種類が逆になるという傾向が推測される結果となった。今後、個人差の影響も含めて精査を進める必要があるが、取手の掴み方と関節の回転方向の関係などが影響している可能性がある。 (2)杖使用者の場合、戸を開ける直前で杖を麻痺側に持ち替える動作、戸通過後に元の手に持ち替える動作が見られた。その際、歩行速度は遅くなるか一旦歩行を止めることになるため、滞留無く多数の人の避難歩行が続く一般的な避難行動において、片麻痺者が後ろからの避難者と衝突してしまう可能性も見出され、避難時の課題が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度は新型コロナウィルス感染症の影響で実験ができなかったが、当該年度はその実験を行うことができ、研究進捗の遅れをある程度取り戻すことができた。また、分析を進める中で、研究の主目的である麻痺の左右差の課題が得られつつあること、避難行動時の課題も得られたことから、区分のとおりの進捗状況と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は防火戸通行実験を実施できたが、当初の計画よりも実験参加者数が少なかった。そのため、2023年度にも同様の実験を行いデータを増やすことを予定している。また、すでに得られた動画データとアンケートの分析は引き続き継続するが、左右麻痺差と戸の開き方という複雑な分析となるため、実験に参加したリハビリテーションセンターの医師とエンジニアから適切な助言を受けつつ作業を進めることを計画する。また、研究最終年度となるため、研究結果の集約を進めていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)