Project/Area Number |
21K04472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
野々垣 篤 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (10283392)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 古代インドの僧院の文献上の把握 / 古代インドの碑文内容の把握 / カーンヘリー石窟の実測 / 仏教石窟 / カーンヘリー / ヴィハーラ窟 / 僧院空間 / インド |
Outline of Research at the Start |
インド建築の歴史的研究の一環として、古代の仏教僧院の生活空間について検討することを目的とする。研究対象は実際の建築的遺構や古代仏教の文献や碑文に加え、当時のインドの僧院生活の状況を伝える旅行記(玄奘による大唐西域記等)を加えたものを主なるものとし、紀元2~5世紀の造営とされるインド・マハーラーシュトラ州カーンヘリーの仏教石窟群のヴィハーラ窟(僧房窟)にみられる部屋の構成について、その前庭周囲の岩山に彫り出されているベンチや棚、ベッド、窓、井戸などの実際の生活に関わると思われる遺構の配置やデザインの把握と僧院空間との関連を検証し、古代の仏教僧院の空間の使われ方の実態を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は前年度の今後の研究の推進方策に示した次の3点に取り組んだ。 まず、コロナ禍明けの来るべき現地調査で無駄のないデータ収集が可能なように、実測機器Leica BLK3D利用した調査の習熟を目指し、身近な対象の実験的な実測を繰り返し行った。引き続いて、調査手順のシミュレーションの確認で、現地では一人での調査となり、かつ、カーンヘリー石窟がムンバイ市民の日常的な利用が想定される国立公園内にあるため、現地での調査活動の制限が想定され、管理をするArchaeological Survey of Indiaからの調査許可条件も考え、いかなる装備や手順で行うかを、上記のLeica BLK3Dを含めた、カメラ、モバイルバッテリー、照明機器を使って調査の手順を確認した。 3つ目は、古代インドの仏教僧院における人々の活動に関わる文献上のデータの整理・分析であるが、昨年度からの継続して、仏教僧院に関わる記述の把握をさらに進めた。 本研究は現地調査が主な活動でありながら、しばらくコロナ禍で現地調査が予定できなかったが、令和4年12月になり、コロナ禍の状況変化を受けた日本政府の帰国時の入国制限の緩和がなされ、ようやく、今年度の最大の研究実績としての具体的な現地調査の計画を進めることができた。ただし、当初予定の令和4年12月から翌年1月にかけて(ちょうど大学の冬期休暇期間)の実施は、残念ながら、急なる中国での新型コロナ感染者数の急激な増加により、インド側の入国制限がにわかに行われることになるなど、その期間での調査実施は見送ることになり、最終的には、年度末の令和5年3月の春期休暇期間(3月10~22日の13日間)を利用しての実施となった。結果として、令和4年度内での成果をまとめる時間は限られた。しかしながら、現地調査の実施がかない、次年度の具体的な目標につながった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要でも示したように、本研究の主なる活動の現地調査が1年目に行えなかったことで、その分、遅れているが、ようやく2023年3月に1回目の現地調査が行えたことで、その先の計画がより具体化し、3年目での成果のまとめに向けての目標が明確になったこともあり、昨年度の(4)遅れている、ではなく、(3)やや遅れている、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である3年目の2023年度は、8月までに、2023年3月に行った現地調査でえられたデータをもちいた僧房窟の実測図面の作成を行うと共に、これまで行ってきた文献上のデータをとりまとめる。 8月から9月の、大学の夏期休暇の期間を利用して、もともと申請書における2年目の現地調査(比較対象の、ムンバイ周辺およびコンカン地方の古代仏教石窟僧院遺構調査)および3年目の現地調査(カーンヘリー仏教石窟の補足調査)と、2回に分けて行うべき内容に関わる現地調査を行う。昨年度同様、円安の影響やコロナ禍後の変化も考えられるが、予算および時間の許す限りの調査日程で、昨年度に行ったカーンヘリー仏教石窟調査で再確認および補足すべきデータをえることを優先するとともに、2年目に予定していたムンバイ周辺およびコンカン地方の古代仏教石窟調査も、可能な限り含むことを考えている。 上記の現地調査終了後となる10月以降は、最終成果報告書のとりまとめを行う。
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