Project/Area Number |
21K04473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
冨田 英夫 九州産業大学, 建築都市工学部, 教授 (80353316)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | バウハウス / 建築教育 / ドイツ |
Outline of Research at the Start |
20世紀の建築教育にドイツの建築芸術学校バウハウス(1919-1933)が与えた影響は計り知れない。初代校長ヴァルター・グロピウス時代のデザイン教育については研究の蓄積がある一方で、2代目校長ハンネス・マイアー主導で1927年にはじめられた建築教育については不明な点が多く、建築教育史的な位置づけもなされていない。本研究はバウハウス卒業生のうちグロピウス主導のデザイン教育とマイアー主導の建築教育を受けて修了し、充実した史料を遺しているコンラート・ピュシェル(1907-1997)に注目し、バウハウス建築教育を理解する際の理想的な学生モデル像を提示する。その成果をドイツの建築教育史上に位置づけ、歴史的な意義を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究計画に記載したとおり主として(1)バウハウスの建築学生コンラート・ピュシェルがデザイン教育および建築教育を受けた「バウハウス教師達の教育」にかんする分析、および(2)これまでの「研究成果の総合」を進めた。 具体的に(1)については、ピュシェルが授業を受けた教師達が執筆した建築教育にかんする史料の分析、およびピュシェルが授業で制作した建築にかんする史料の分析を行った。その結果、ピュシェルが受けたデザイン教育はヴァルター・グロピウスの考えがより反映されていた時期の「形態教程」と「工作教程」を柱とするデザイン教育であった。そういった教育の成果が、建築を専門的に学ぶ課程において教授されたハンネス・マイアー独特のダイヤグラムという抽象的な内容を、素材・構造を伴う建築空間へ変換するという作業において活きてきたのではないかと考えられた。その成果は2023年度の日本建築学会九州支部研究発表会で研究発表を行った。 (2)については、ピュシェルがバウハウス建築科で設計を担当した「小市場の再整備」案の論文を日本建築学会・中国建築学会・韓国建築学会が発行するJAABE(Journal of Asian Architecture and Building Engineering)に投稿した。投稿中のため論文の詳細の記載は控えるが、これまで明らかにされていなかった「小市場の再整備」案をマイヤー主導のバウハウス建築教育における重要な作品として評価しようとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は「研究実績の概要」で報告したように、2022年度実施予定の課題「ピュシェルが受けた建築教育の分析」を1年遅れで進めたため、2023年度に当初予定していた「研究成果の総合」にかんする分析が不足した。この分析が不足した内容は、研究期間を延長し2024年度の課題として持ち越し、継続して研究する。 このような状況から、「(4)遅れていると判断した」と自己点検による評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、研究最終年度として、研究成果の総合を行う。具体的に、投稿済みのJAABE(Journal of Asian Architecture and Building Engineering)論文の修正作業を行う。 具体的に、ドイツにおける理工系の築教育の系譜をたどり、バウハウスの建築教育を建築教育史・デザイン教育史の上に位置づけ、マイアーの建築教育の歴史的な意義を明らかにする、という修正を行う。
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