狭領域プラズマ計測手法の確立と超小型RFプラズマスラスタへの応用
Project/Area Number |
21K04485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
大塩 裕哉 龍谷大学, 先端理工学部, 助教 (80711233)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | プラズマ計測 / 光学計測 / 電気推進 / 高周波プラズマ / 超小型衛星 |
Outline of Research at the Start |
超小型人工衛星はそのサイズと発電能力から推進機の搭載例は少なく適した超小型推進機の開発が要求されている.その1つとして超小型プラズマ推進システムの研究開発が進められている。このようなプラズマ推進には推進機内外のプラズマ状態の把握が不可欠であるものの,超小型推進では数mm程度の狭領域でのプラズマ現象であるためにその計測が困難である.本研究では,光学的計測手法による,狭領域のプラズマの空間的特性手法を開発する.その上で,超小型プラズマ推進の1種である超小型RF(Radio Frequency)プラズマスラスタに適応することで,狭領域でのプラズマ生成・加速特性を明らかにすることを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
超小型人工衛星は中小規模の企業や大学などでも開発可能であり、宇宙開発のハードルを大きく下げることが期待されている.近年,燃費性能の高い超小型プラズマ推進機(スラスタ)の開発と宇宙実証が進められる一方で,超小型人工衛星の多目的化に伴い更なる高い性能が要求されている.プラズマスラスタの研究開発にはプラズマ現象の理解が不可欠である.しかし,超小型スラスタの数 mm程度の狭領域のプラズマの空間分布の取得は困難であり研究の足かせとなっている.本研究では,狭領域プラズマの空間分布計測のための光学的手法を確立と,確立した計測法を超小型高周波(RF)プラズマスラスタへ適応し,スラスタ内と近傍のプラズマ特性を明らかにし,性能最適化のための指針を示すことを目指す. 本年度は、輝線強度の2次元分布から微小領域のプラズマ分布を計測可能なシステムの改良を行い、より低密度領域の計測が可能になったことで昨年度のスラスタ出口近傍10mm×5mmの領域から10mm×10mmへと領域拡大に成功した。計測範囲の下流端において、既存のプラズマ計測法であるプローブ法との比較を行い本計測法の妥当性を示した。加えて、3.4mm径のスラスタ内部の計測に成功し、放電室内にプラズマ生成領域または、プラズマ分布の不均一領域が規則的に生じることや、ガス流量によりプラズマ生成領域が変化すること、中性粒子とイオンの発光分布の差異などの微小領域での高周波放電特有の現象を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の計測において、光学系によるスラスタ出口近傍の2次元分布計測に成功したが、光学系内での反射やS/N比の問題等により発光の強い領域での計測に限られていた。本年度は、カメラならびに光学系の見直しを行うことで、より発光の弱い低密度領域へと計測可能範囲を拡大することに成功し、計測範囲を5mm×10mmから10mm×10mmへと拡大し、合わせて空間分解能を0.4 mmから0.26 mmへと改善することができた。この計測法と既存の計測法であるプローブ法との比較を計測範囲下流端において実施し、スラスタの動作によるプラズマの変化を両実験共に一致する結果が得られたことから、本計測法の妥当性が確認された。 この光学計測法をスラスタ内部へと適応させ、3.4mm径のガラス管と高周波アンテナ近傍のプラズマ分布の計測に成功した。ガス流量を増加させることで、プラズマ生成領域がアンテナ上流から下流部へ移動することや、中性粒子分布とプラズマ分布による差異が存在すること、団子状の不均一なプラズマ分布が生じることなどの微小領域におけるプラズマ現象の確認に成功した。これらの結果は、スラスタとして最適な性能を得るための、出口近傍においてプラズマ生成し損失を減らすことや、広い領域でのプラズマ生成による効率化、プラズマと中性粒子との干渉などの知見を得ることが期待され、更なる調査を進める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度の課題であった低密度領域におけるS/N比の改善による計測可能範囲の拡大を行うことができた。改良された光学系を用いた計測により、微小領域のプラズマ特有の現象が確認されてきた。超小型高周波プラズマスラスタとして高い性能を得るためには、これらの微小領域のプラズマ特有の現象を理解ならびに利用することが必要となる。しかし、現時点では限られたスラスタ構造ならびに、動作条件での計測に限られている。そのため、放電管の径、長さ、アンテナの位置や形状、磁石配置などのスラスタの構造や、流量や放電電力などの動作条件等を変えた際の微小領域のプラズマ特性を調査し、明らかにすることで、超小型高周波プラズマスラスタとして適した条件や構造を明らかにしていく。合わせて、輻射モデルや定量プラズマ計測、非軸対称流への対応などの計測システムの改良による計測システムの高度化とプラズマモデルによる微小領域でのプラズマ現象の解明に向けた検討を合わせて進めていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)