Project/Area Number |
21K04493
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
野村 哲史 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主任研究開発員 (80709361)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 火星ダスト / 軽ガス銃 / 輻射計測 / 衝撃波可視化 / 空力加熱 / 火星カプセル / 自由飛行試験 |
Outline of Research at the Start |
火星大気に漂うダストにより、火星探査の大気突入カプセルへ加熱環境がどのように影響を受けるかを明らかにすることを目的とする.これまでの類似研究の多くは、耐熱材への衝突による機械的損耗に着目したものが多く、ダストによってカプセル周りの流れ場が受ける影響については、あまり議論されておらず、参照できる実験データも乏しい.しかし、ダスト条件次第では、ダスト由来の成分が衝撃層内で強い輻射加熱源となり、カプセルの耐熱性に影響を及ぼすと考える。そこで、本研究ではダスト浮遊大気への突入環境を地上模擬し、可視化・分光計測などにより、ダスト成分による輻射加熱解析モデルを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
火星突入時の突入機への空力加熱に、火星ダストがどのような影響を与えるのか実験的に調査することを試みた。これまでダスト環境での自由飛行試験を可能とするように装置を回収整備してきた。今年度はダスト環境下での自由飛行試験に先立ち、まずクリーン環境下(CO2ガスのみの環境下)での試験を行い輻射計測を実施した。試験環境として、過去に検討された火星探査ミッションの計画値を参照したが、その突入速度域(4km/s程度)では、これまで中赤外や真空紫外波長域で計測実績があるが、可視波長域の輻射計測はあまり行われておらず、新たな計測となった。その結果、これまで火星大気突入時の加熱率予測の分野では着目されていなかったスペクトルが検知された。そこで燃焼ガス計測など他分野の文献を調査し、そのスペクトルの発光種は、CO flame bandと呼ばれるCO2の化学発光であると同定した。加えて、同等の流体環境を別装置で再現するなどして、その再現性も確認した。自由飛行試験における発光強度を実験的に見積もると、CO2の化学発光は、他の発光種(CO2の中赤外スペクトルやCOの真空紫外スペクトル)も含めた全波長帯の輻射加熱に対して有意な割合で寄与していることが判明した。ただ、CO flame bandとして識別されているものの、そのスペクトルを正確に解析している先例は確認できず、輻射加熱率の予測には新たなモデル化が必要となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ダストによる輻射加熱への影響の有無の確認、およびそのモデル化を目的として取り組んできた。その結果観測されたスペクトルはこれまで考慮されてこなかったものであり、その同定に時間を要した。結果として、CO2の化学発光であると識別した。加えて、その発光強度を見積り、輻射加熱の予測に重要な要素であると判明した。輻射加熱率を正確に予測するためには、3原子分子の電子励起状態間の遷移を解析する必要があるが、CO2が持つ複数の振動モードの解析は容易ではなく、23年度中には完了しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
観測されたスペクトルの同定には至ったものの、そのスペクトルを解析的に予測し、輻射加熱を算出するまでには至っていないため、引き続き24年度にスペクトル解析に取り組む予定である。解析対象はCO2化学発光であるが、同様のスペクトルを有すNO2の解析は過去に例ががあるため、その手法を参照する予定である。また並行して、ダスト環境下での輻射計測も実施し、ダストの影響の有無を明らかにする予定である。
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