Project/Area Number |
21K04591
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
大堀 勝正 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (90807281)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 風水害 / 外れ値 / 確率モデル / リスク尺度 / 分布適合度 / 水文統計学 / 財務安全基準 / 破産確率 / 短期的リスク・ファイナンス / パラメータ推測 |
Outline of Research at the Start |
自然災害に対する金銭的備えは予想最大損失を前提に算出することが通常である。しかし,経営難の事業では莫大な資金調達は困難であり,発生頻度が高い風水害に対して支払不可能とならない程度に金銭的備えを行いたいというニーズが圧倒的に多い。 本研究では,そうした社会経済ニーズに応える理論として,激甚化する風水害の特性と財務変動を考慮した短期的な風水害リスク・ファイナンス評価に資する数理モデルの研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の令和3年度では,観測規模の風水害に対する財務安全基準の実績分析を中心に行った.具体的には,申請者が考案した破産確率を用いて,1)三陸鉄道(岩手県),2)土佐くろしお鉄道(高知県),3)高千穂鉄道(宮崎県),4)その他の第三セクター鉄道(9社)を対象として既往の風水害に基づいて破産確率を財務安全基準とした場合のリスク尺度としての効果を実証的に分析した。さらに,次年度(令和4年度)にまたがる研究内容として,既往最大を大きく上回る風水被害と破産確率を用いた場合の財務安全基準を比較し、データ制約下における破産確率の推測精度の課題を検証している。 令和4-5年度では,観測データの制約下では外れ値のような位置づけにある大規模損害の推定方法に関して水文学・水工計画や金融工学等の研究論文や事例等を広範に調査した.また,通常は安定した経営を行っている企業が新型コロナウイルス感染症(コロナ禍)によって既往最大を大きく上回る規模で売上高が急激かつ大幅に減少したこととの類似性に着目し,複数の企業を対象にコロナ禍による売上高の大幅減少を調査し,大幅な売上減少を推定する確率モデルを考案し,実績データを基に実証分析を行い,リスク基準に相当する確率を実績データから検証した.その研究成果を査読付学術論文(英文)として2本投稿し,1本は掲載され,1本は査読中である.このモデルは水文統計学で考案された分布推定法を参考として,応用した研究成果である.その成果を本研究の主要テーマである鉄道事業者の風水被害における外れ値ような大規模損害の推定に適用する方法論を研究中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度末までコロナ禍により出張および現地調査を行えなかったため,データ分析を中心とする研究にならざるを得なかった.令和5年度から本研究の主要課題である「観測データの制約下では外れ値のような位置づけにある大規模損害の推定方法」をコロナ禍による売上高の急激かつ大幅な減少リスクの推定モデルとの類似性に着目して一定の成果を得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を整理し,激甚化する風水害と財務状況の変化を考慮した短期的な風水害リスクファイナンスにおける1)財務安全基準,2)既往最大を上回る損失リスク,3)風水害特性の推定モデルの3点の研究課題に取り組み,それらを研究成果を体系的にとりまとめる予定である.
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