Project/Area Number |
21K04608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北川 暢子 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任助教 (20727911)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 宇宙線イメージング / 土木構造体 / インフラ点検 / 土木構造体の健全性評価 |
Outline of Research at the Start |
電源不要・軽量・コンパクトな特殊な写真フィルム「原子核乾板」を用いて、堤体内の樋門内部から多地点で宇宙線の観測を行うことにより、盛土の内部を三次元可視化し、コンクリート構造と土構造に生じる空洞検知並びに土中の密度分布を把握する防災技術を確立する。具体的には、①樋門を含めた堤体の構造を考慮したシミュレーションを行い、検出器の設置場所や設置期間の検討、②大型土層を用いた土構造物内の空洞検知・密度決定精度の検証、③樋門内部に検出器を設置し、実地検証の実施の3点を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、気象変動による集中豪雨の発生件数が増加し、短時間で局所的な大量の降雨は洪水を引き起こし、堤防の決壊といった人身の安全を脅かす災害の話を毎年のように耳にするようになった。このような災害を防ぐため、治水工事を行うなど水の流れの理解から制御まで学術と国や自治体との努力と協力が行われている。そのような中で、堤防の点検やメンテナンスは水災害を防ぐための課題の一つであり、これまでは、①表面に変状が表れないと対策が行われない ②表面から数mの深さの変状しか分からない探索技術 ③これまでの築堤の詳細情報が分からないなどといった問題点がある。 そのため、①の変状が表出する前に事前対策を行う ②深さ10m級の堤防の中身を知りたい ③築堤の履歴や使用土壌種類の分布を密度情報から知りたい といった要求に答えるため、 透過率が高い宇宙線ミューオンという素粒子を用いて、堤体内部の密度分布を知る技術開発を行う目的でこの研究を開始した。 今年度は、前期は観測対象の堤防の選定と下見、原子核乾板検出器の作製やフィルムのパック方法の最適化を行った。また、後期には新潟県燕市の大河津分水路沿いにある樋管内に堤体内を横断するような観測データが得られるよう検出器を複数箇所設置し、合計4か月の観測をおこなった。樋管内外の3次元データを元に、堤防周辺の詳細な形を再現し、検出器における宇宙線の検出(角度分布や本数)の見積りを行った。現在、データについてでは解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
堤防内外に検出器を設置するには、国土交通省や自治体の許可を得なければいけない。またその部署の方々との関係性は簡単に築くことは難しく、まず説明や交渉から始まる。しかし、今回の観測現場は新潟大学の安田浩保先生が信濃川で自身の研究をされている関係で、間に入って国交省の担当者の方と話を進めて下さり、今年度から観測が始められることとなった。これが当初の計画よりも進展している主な要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は秋からの観測、並びに新型と旧型のものが隣接する樋管が観測場所であったことから、両方の観測を行っている。新型と旧型の樋管上部の土壌状態は異なり、均質が複数の土質が積層されれいるかという違いがあるが、これが宇宙線イメージングにより差異が見られるか、また、季節ごとの土の密度変化(水分量の変化)が見られるかを、更に半年観測を続けて、通年の観測データとして比較したい。
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