地震時崩壊性地すべり発生地点の微動特性と火山灰土壌の物理・力学特性との相関
Project/Area Number |
21K04615
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
飛田 哲男 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (00346058)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 地すべり / 地震 / 火山灰土壌 / SPH法 / 常時微動 |
Outline of Research at the Start |
火山灰土壌は緩斜面を形成するという特徴があること,また水はけが良く降雨による崩壊が発生しにくいという特徴を有する.しかし,近年,地震時にそのような斜面が崩壊し大規模な地すべり災害が発生している.地震による火山灰土壌の崩壊メカニズムを明らかにし,それに基づいた土砂災害ハザードマップ作成法を提示することが本研究の目的である. 火山灰土壌の崩壊すべり面には,軽石等の降下火砕物の風化によって生成される粘土鉱物であるハロイサイトに富む粘性土が存在する.本研究では,この粘性土の動的応答特性に着目し,常時微動による振動特性と現地盤の強度特性との相関を調べ,ハザードマップを構築する手法を提案する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,地震による火山砕屑物の崩壊メカニズムを明らかにし,それに基づいた土砂災害ハザードマップ作成法を提示することである.まず,火山灰質粘性土の動的応答特性に着目し,物理的・力学的性質を室内試験で明らかにする.さらに,地震時の火山砕屑物の崩壊について,常時微動による振動特性から推定される地形・地質構造を考慮した数値解析を行うための適切なパラメータ設定手法を構築する. 22年度は,21年度に引き続き,地震による緩傾斜地の地すべりに対してSPH法の適用性を検討した.まず,単純な斜面モデル(長さ88m,高さ44m,奥行き40m)に対し,現地調査から得られた地盤の強度定数を入力した弱層を設定し,これを斜面と並行になるよう導入したところ,弱層を境に直線的なすべりが発生した.次に,葉ノ木平の地すべりについても詳細地形を表現して検討を行い,弱層を加えると斜面全体の変位量が大きくなることを確認した.しかし,すべり速度はわずか4.8cm/sと過小評価となった.実現象では,すべり土塊がブロック状に崩壊し,流下するにつれてブロックが壊れることで速度の大きな地すべりが発生している.この点については今後の課題である. また,本研究では,加速度H/Vスペクトルを色情報(カラースペクトル)に変換し,深層学習により微動観測点の地盤構造を推定するシステムの構築を開始している.22年度は,87地点のK-Net観測点で観測された50gal以下の地震動記録13150個についてカラースペクトルを作成し,学習モデルを構築した.その結果,観測点を高い精度で正しく分類できた.また,土質柱状図が得られている10地点で得られたN/Vスペクトルを深層学習モデルに与え,類似するH/Vスペクトルを持つK-NET観測点を抽出し,両地点の柱状図を比較した.その結果,N値の深さ方向分布に比較的良い相関が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査に十分な時間が取れず,原位置サンプリング試料が取得できなかった.このため,室内試験ができず,適切な解析パラメータの値が設定できていない.ただし,並行して進めている微動観測と深層学習を用いた地盤構造推定法の開発については,想定以上の成果と進捗があり,実用化に向けてさらに検討する.
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Strategy for Future Research Activity |
常時微動観測と地盤調査を行い,地盤情報と常時微動に関するデータベースを作成し,H/Vカラースペクトルによる地盤分類法の有効性を検証する.22年度は,本手法の妥当性を検討するため,カラースペクトルではなく線スペクトルによる推定精度を調べる予定である.さらに,土質柱状図の相関性についてもより詳細に評価する. 23年度は,現地調査を行いすべり面となる火山灰土壌を採取し材料,力学的諸量を調べる.また,すべり面だけでなく,その上位に存在する軽石層の物性についても調査する. SPH法の限界が見えてきたので,例えば有限要素法または個別要素法による地すべり評価手法の開発を検討したい.
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Numerical Study on Delayed Failure of Gentle Sloping Ground2022
Author(s)
Tetsuo Tobita, Hitomi Onishi, Susumu Iai & Masyhur Irsyam
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Journal Title
PBD-IV 2022: Proceedings of the 4th International Conference on Performance Based Design in Earthquake Geotechnical Engineering (Beijing 2022)
Volume: -
Pages: 1362-1376
DOI
ISBN
9783031118975, 9783031118982
Related Report
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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