土石流とともに流下する流木の折損メカニズムの解明と流木長の評価手法の確立
Project/Area Number |
21K04618
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
|
Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
永野 博之 群馬工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (20595425)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 流木 / 土石流 / 豪雨災害 / 水理実験 / 折損 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,流木災害に対する被害予測と対策の精度向上を図るため,山地河川を土石流とともに流下する流木の折損プロセスを解明し,任意の地点での流木長を評価する手法の構築を目指すものである. 流木がどこでどのように折れるのかいまだ明らかではないことから,本研究では,災害資料に基づく河道形状と折損流木長との関係性の検討,一定勾配の直線河道での立木折損プロセスと流木長の評価法の検討,落差地点での流木折損プロセスと流木長の評価法の検討を行う.また,これらの結果をもとに,流木長の変化を追跡可能な流木の流出評価手法の構築を目指す.
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,既往災害資料の追加分析と水路実験による検討を実施した.既往災害資料の追加分析では,前年度に作成した2017年九州北部豪雨での白木谷川流域における,空中写真からトレースした倒木・流木のGISデータについて,GISを用いた地形解析結果との比較を行い,流域内の地形的要因と流木の堆積形態との関係性について検討を行った.地形解析では,国土地理院公表の10mメッシュ標高データをもとに,流域内の傾斜角と傾斜方向を表わす30mメッシュを作成し,前述の倒木・流木データの方位角と比較したが,必ずしも両者は一致しなかった.流木長は下流ほど短い傾向にあり,流下の過程で折損が生じていることが示唆された.地形的要因のみから流木の堆積形態について明瞭な関係性を得ることは困難であったため,今後は氾濫流の挙動も考慮した議論が必要と考えられた.そのような議論を行うには,より氾濫範囲の広い流域におけるデータとの比較が必要であるため,白木谷川流域近傍で2017年九州北部豪雨において流木を伴う土石流氾濫が顕著であった寺内ダム上流域(佐田川,黒川)を対象に,倒木・流木GISデータも作成した.また,検討結果を組み込めるよう数値解析モデルの構築に着手した.水路実験については,前年度に作成した長さ30cm,直径3mmの南洋材丸棒よりなる立木模型50本を幅40cm,延長400cm,勾配15度の直線水路内に,幅30cm,長さ90cmの範囲内で千鳥状に配置し,水路内に直径15mmのガラス玉を5cmの厚さで250cmの長さ敷き詰め,一定流量を供給して発生させた土石流を発生させ,立木模型群に衝突させた.実験の結果,流れが集中した左岸側の立木3本が倒伏する結果を得た.立木模型の直径や密集度,供給流量等を変化させ,さらなるデータの収集を継続する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学校内における新型コロナウイルス感染症の流行によって,対面での実験準備などの活動に慎重を期す必要があったため,実験準備に時間を要し,実験による検討が基本的なものにとどまっている.しかしながら,既往災害資料の検討を踏まえ,当初予定していた以上の災害資料の準備を行ったことに加え,数値解析モデルの構築準備まで行ったことで,実験の遅れによる研究全体の遅れを補っていることから,進捗状況はやや遅れていると判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度に実施予定であった実験ケースを最優先に実施した後,水路条件を変えた実験を実施する.また,本年度に追加作成したデータを用いて,河道形状と流木長との関係性について普遍性を高めた検討を実施する.さらに,数値解析を実施し,地形要因に加え,流れの状況と流木の堆積状況と流木諸元との関係について検討する.
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)