計算科学と機械学習の組み合わせから紐解く永久磁石材料の電子論
Project/Area Number |
21K04630
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26010:Metallic material properties-related
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
立津 慶幸 名桜大学, 公私立大学の部局等, 上級准教授 (70833911)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 計算材料科学 / 磁石材料 / 第一原理計算 / 磁気異方性 / 保磁力 / 機械学習 |
Outline of Research at the Start |
ロボット技術の進化とそれをサポートするAI技術の発展が加速するにともない、これらの駆動部分で多用される希土類永久磁石の需要が拡大している。それと同時に、永久磁石の高性能化が社会的に求められている。本研究では、近年目覚ましい発展を遂げている機械学習と計算科学的手法を組み合わせることで、希土類永久磁石内部の電子状態の解析をすすめ、高性能化の起源に迫る。
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Outline of Annual Research Achievements |
希土類永久磁石の需要拡大に伴い、その高性能化と新たな磁石材料探索が求められている。材料の物性解明においては、近年飛躍的な成長を遂げている機械学習やAI、自動化技術と連携させた計算科学的手法が有効である。これまでの実験および理論計算から、磁石内部に存在する界面近傍では多くの場合、歪んだ原子構造を取り得ることが確認されている。この歪んだ 原子構造は電子状態を劇的に変化させ、磁石の性能指数である保磁力に影響を及ぼすことが示唆されていることから、磁石主相界面近傍の組織制御の重要性が検討されている。そこで本研究では、永久磁石界面構造および磁性状態に関する研究と合金磁性に関する第一原理計算を実施することで、磁石材料の高性能化に向けた貢献を目指す。特に、近年目覚ましい発展を遂げている機械学習の活用も検討し、効率的な磁石材料界面の計算を検証している。対象とする磁石界面の複雑性により計算規模が必然的に大規模になること、磁性を取り扱うことなどから、計算機の性能が向上している現代においてもチャレンジングな課題である。本年度は、ネオジム永久磁石と第一原理計算に関する申請課題の関連内容が、学術誌のトピックスとして取り上げられた。 (1) 日本磁気学会会誌「まぐね」の特集「軽元素を利用した磁性材料研究の新展開」において、「電子論で探るNd-Fe-B磁石主相における軽元素の役割」というタイトルのトピックス記事が掲載された。 (2) 昨年度、国際学術誌Nature Communicationsに掲載された新奇磁性合金ナノ粒子に関する磁気異方性に関する研究の詳細な解析及びその他候補物質の探索を進めている。共同研究を進めている実験室においては、新たな磁性化合物合成の可能性が示唆されていることから、今後は第一原理計算を用いて構造安定性や磁気物性に関する理論解析を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、第一原理計算を滞りなく実施するための研究環境整備の一環として、昨年度に購入・設置したクラスターマシンおよび物性研究所共同利用スーパーコンピューターを活用しながら研究を実施した。第一原理計算と連動させるための公開プログラムを実際に活用することで、効率的に計算を実行するために自動化への取り組みにも少しずつ着手している。多くのモデル構造を対象とした研究となるため、データベースの構築・整備も進めている段階である。 並行して、希土類永久磁石内部に存在する仮想的な界面構造に対し、電子状態計算を進めるための収束の確認を実施した。 昨年度では、ユニットセル内に存在する原子数が数百から千個程度を想定した界面構造の構造最適化が難しいことがわかったため、より小さなユニットセルに対する収束条件の調査を進めているが、外部スパコンの混雑もあることから構造最適化の収束にかなりの時間とリソースを要している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も、安定な磁石材料界面探索を効率的に実行するための機械学習的手法の調査と妥当性の検証を行う。計算規模によらず構造最適化の収束が難しい兆候が見られたことから、計算精度を少し落とし近似的な条件での収束状況をモニターしながら研究の妥当性を検討する。モデルポテンシャルの活用を検討することで、多くのモデル構造に対する構造最適化計算の高速化を図り、目標とする界面磁気異方性の解析まで繋げるとともに、モデルポテンシャルの有用性を検証する。最終的には、磁石材料界面の歪みと界面異方性の相関関係の検証に繋げる。また、磁性合金ナノ粒子に関する詳細な電子状態解析を進め、新たな磁性化合物の可能性を探る。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Inter-element miscibility driven stabilization of ordered pseudo-binary alloy2022
Author(s)
Matsumoto Kenshi, Sato Ryota, Tatetsu Yasutomi, Takahata Ryo, Yamazoe Seiji, Yamauchi Miho, Inagaki Yuji, Horibe Yoichi, Kudo Masaki, Toriyama Takaaki, Auchi Mitsunari, Haruta Mitsutaka, Kurata Hiroki, Teranishi Toshiharu
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 13
Issue: 1
Pages: 1047-1047
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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